# おしてひいて - かめむし ページ4
鬱陶しいくらい彼は私に触ってくる。
何をしている時も近くにいれば触ってくる。
それなのに今日は1度も触れられていない。近くにさえ来ない。
「かめちゃん今日どっか悪いん?」
「全然やでー」
話しかけてみるもいつも通り。
だけどいつもよりもどこか温度が低い。
だからと言ってこちらから触れるのも慣れなくて恥ずかしいのでなるべく気にしないように別のことをして気を紛らわす。
時間がどれだけ経とうともかめちゃんは一向に私に触ろうとしない。
寂しい、そう思うのも普通だろう。
当たり前が無くなる事はうんぬんだという言葉は薄っぺらいなんて思っていたけれど体感してみると本当に辛い。
「…なあ、かめちゃん」
「ん?どしたん?」
「触っていい?」
「どうぞ」
思い切って自ら触りにいくと、横たわっていたかめちゃんが起き上がり、腕を広げた。
必死に抱きつく。
「…やっとAから触ってきた」
「え?」
「俺が押しすぎやからさ、引いてみたらどうなんのかなって」
「なっ…、なにそれ」
「引くのもアリやなあ」
嬉しそうに口角を上げるかめちゃんを見て悔しかったけれど抱きついた腕を離せなかった。
「ちょっと我慢したらこの有様やで、ほんま可愛いなあ。そんなんやと俺から一生離れられへんで」
「かめちゃんかて私が今触らへんかったら我慢できひんくなってたって」
「どうかなあ…またやってみる?」
「もうしやんといて、こりごりやわ」
「せやかって可愛いんやもん」
やっとちゃんと抱きしめられ、かめちゃんの匂いがする。
この匂いからも、背中に回された手からも、離れられないのは事実だろう。
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はなまる(プロフ) - チョコレートスモーカーズのお話はまだ書いていませんか??間違っていたらすみません(*..) (2017年8月5日 3時) (レス) id: f44c2ecff6 (このIDを非表示/違反報告)
ただの高校生 - こちらの方も頻繁にコメント確認しますので感想等あれば是非書いていただけると嬉しいです! (2017年3月17日 20時) (レス) id: ed7f326cde (このIDを非表示/違反報告)
ただの高校生 - ももたんさん» 本当に嬉しいコメントありがとうございます…にやにやがとまりません…ぜひぜひ!!いつでもリクエストお待ちしてます_(´・` _ (2017年3月15日 19時) (レス) id: ed7f326cde (このIDを非表示/違反報告)
ももたん(プロフ) - わああ!ありがとうございます(´;ω;`)すごい良かったです!ただの高校生さんの小説ほんとに大好きで見まくってたので嬉しいです…!良かったらまたお願いします(>_<) (2017年3月15日 17時) (レス) id: 1088910e6e (このIDを非表示/違反報告)
ただの高校生 - ももたんさん» 細かい設定を下さると書きやすいです〜ありがとうございます_(´・` _ご意向に沿えるか不安ですが書いてみたのでよろしければ! (2017年3月15日 2時) (レス) id: ed7f326cde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの高校生 | 作成日時:2017年3月3日 3時