にじゅうさん ページ23
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さっきの事をきしくんに伝えればきっときしくんは喜ぶんだろう、だけどそこから、同じ名前の彼から奪いに行くのかな。
気まずくてまともにあれから会話を交わしてないし、話し掛けるのも緊張する。
それに、きしくんの事を渡したくない。なんて私が言えた義理じゃないのは百も承知の上だけど。
ごみ捨てから教室に帰ると、私を待っている梨花と...きしくんが居た。
「ごめんA、佐藤ちゃんに呼ばれて一緒に帰れなくなって。そのお詫びで岸あげるね!」
手を合わせてそう言うなり鞄を引っ掴むと、梨花は教室から嬉しそうに飛び出した。
文化祭の後夜祭で余程良い雰囲気になったのか梨花は絶好調だし、だからこそこのまま上手くいって欲しいから呼び止められる筈も無く。
「「...」」
教室で2人、気まずい空気が漂った。
自分の机に腰掛けているきしくんは舌で唇を舐めてから口を開こうとする。
「あのさ、」
「あのね、きしくん。」
全て発せられる前に遮るのはその続きの言葉を聴きたくないから。
「さっき、川島さんに逢った」
だってほら、川島さんの名前を出せばすぐに顔色を変えるくらいにはまだまだ私の入る隙間は無いから。
「...川島さん、きしくんの事好きだってさ」
それだけ伝えればきっと充分だろう、きしくんは私の言葉を聞くと目を大きく見開き、口をぽかんと開けた。
「何それ、どういう事だよ」
混乱したように呟くきしくんに今さっき川島さんに聞いた事を一言一句伝えると、きしくんは頭をくしゃくしゃと片手でかいて溜息をついた。
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Mii24(プロフ) - 苗字が(名字)のまま (2019年7月14日 14時) (レス) id: 7e09416ba7 (このIDを非表示/違反報告)
にな - とても面白かったです!! (2018年12月30日 15時) (レス) id: baa5a8cf8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:岩里 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chisaco17/
作成日時:2018年9月24日 15時