にじゅうに ページ22
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文化祭が終わって1週間が経った。
「...あ」
「え?」
掃除の時間、ごみを捨てに廊下を歩いていると不意に聞こえた声に後ろを振り向いてしまった。
目が合った女の子は少し口角を上げて微笑むと私に近付き横に並んだ。
「やっと、逢えた」
そう言いクリクリした綺麗な瞳で私を見上げる華奢なその子は、きしくんの想い人の川島さんだった。
話に聞いていたよりずっと綺麗で可愛くて、穴があったら入りたい程一緒に居るのが恥ずかしくなってくる。
「私、川島知弦。岸くんと仲良いんだよね?」
「(名字)Aです。仲良いというか、同じクラスだけど...」
私がそう答えると彼女は目をまん丸にして驚いたような顔をした。
「え、文化祭の2日目、一緒に居たでしょ?手繋いで帰って行ったの、Aちゃんじゃないの?」
なんで、バレてんの。
「岸くんが廊下から私と勇太の事見てたの知ってたから。そこから連れ出したよね?」
私が黙っていると更に続けるその姿は穏やかにも見えるけどひっそりと嫉妬が含まれている気がした。
「私で、合ってるよ。...川島さんはきしくんの事どう思ってるの?」
「幼馴染だよ、大事な。今は確かに勇太くんが好き。だけどそれは岸くんが帰って来るなんて思って無かったから。知ってたら、彼氏なんて作ってなかった。ずっとずっと岸くん...優太が私は好きなんだから。貴女よりずっと」
彼女の思いを聞いて、何も言えなかった。
長い間想い合っていたのならぽっと出の私なんかに取られるのは嫌なんだろう、だからずっと私を探していたんだね。
その場にもう居たくなくて、適当に相槌を打ち頭から今の会話を拭うようにゴミ捨て場まで早歩きで進んだ。
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Mii24(プロフ) - 苗字が(名字)のまま (2019年7月14日 14時) (レス) id: 7e09416ba7 (このIDを非表示/違反報告)
にな - とても面白かったです!! (2018年12月30日 15時) (レス) id: baa5a8cf8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:岩里 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chisaco17/
作成日時:2018年9月24日 15時