じゅうなな ページ17
(文化祭-2日目-)
朝の中庭のキス以来、私はきしくんとまともに顔を合わせられず言葉を交わしていなかった。
経験が無い訳じゃないのにきしくんとのキスは触れるだけで身体がふわふわするようで。
朝の事を思い出すだけで顔が火照るくらい熱くなり思わず手で扇いだ。
「Aちゃん、午前お疲れー、昼から上がりだよね?」
「あー、どうも」
全然記憶に無い同級生らしき男の子が私に笑いかけてくるんだけど、なんで名前を知ってるんだろう。
しかも時間の割り振り知ってるし怖過ぎ、面倒だなーと思いつつ一応受付役として接客を続けようと試みる。
「おひとり様ですか?」
「なんでこんなお化け屋敷に男一人で入んないといけないの、Aちゃんと入ろうと思って来たんだよ、ね?入ろ?」
いい加減しつこい、と睨もうとした時だった。
「Aは先約が有るんでお客様と行動すんのは無理です、お引き取りくださーい」
なんで貴方はタイミング良く現れてくれるんだろう、きしくん。
きしくんは私の肩に手を掛けるとそのまま下ろしてある髪の毛を撫でるように男の子に見せ付け、顔を近付けて男の子が去るように促した。
ああ、きしくん。人通りが少ない時間で本当に良かった。
「きしくん、ありが...」
「優太、って呼んでよ」
今朝からやっぱり、私達は変わらないようで変わったんだろうか。
「...ゆうた、ありがとう」
満足気ににんまりと笑うゆうたの笑顔が目が眩むくらい眩しかった。
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Mii24(プロフ) - 苗字が(名字)のまま (2019年7月14日 14時) (レス) id: 7e09416ba7 (このIDを非表示/違反報告)
にな - とても面白かったです!! (2018年12月30日 15時) (レス) id: baa5a8cf8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:岩里 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chisaco17/
作成日時:2018年9月24日 15時