じゅうよん ページ14
(文化祭-2日目-)
自販機前で真剣に腕を組みながら悩む仕草を見せるその人は、見覚えのある背格好で。
「...きしくん?」
「へ?あ、(名字)、おはよ!」
私の声に振り向くときしくんは朝から眩しい笑顔を見せながら自販機に近付いて来る私に手を振った。
「おはよ、朝早いんだね」
「昨日帰っちまったからさ、今日朝から働いてチャラにして貰おうかなーって」
何の気なしに不思議に思った事を聞き後悔、きしくんの言葉に心臓が少しザワつく。
そうだった、昨日きしくんは隣のクラスの川島さんと一緒に居て、その後帰って来なかったんだった。
「...きしくんの前に言ってた好きな人って、川島さん?」
やっと買う飲み物が決まったのかお金を入れ始めていたきしくんは、私の言葉を聞いても何も言わずにボタンを押した。
ガシャン、といういつもの音が鳴りジュースが落ちてくる。
だけどきしくんは取ろうとせずに、否定もせずに小さく息を吐いた。
「川島は、俺がこっちに居た時の幼馴染なんだ。
その頃からだからかれこれ10年想ってるよ」
「10年って事は...小学生くらいから?」
きしくんは照れ臭そうに笑うと私をベンチへと促すから慌てて飲み物を買い先に歩き出したきしくんの後を追った。
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Mii24(プロフ) - 苗字が(名字)のまま (2019年7月14日 14時) (レス) id: 7e09416ba7 (このIDを非表示/違反報告)
にな - とても面白かったです!! (2018年12月30日 15時) (レス) id: baa5a8cf8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:岩里 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chisaco17/
作成日時:2018年9月24日 15時