もう一人の“姫”がつく少女

1話 ページ3

島之内「転校生の姫乃 Aさん。」



担任の島之内 巌流先生がそう言って挨拶を促す。



『…よろしく。』



したくはないけどね。



何せ人間なんて大嫌いだし。



島之内「席は天野さんの隣です。」



『…はい。』



転校生は目立つから嫌いだ。



ま、前の学校よりはまだマシかな。



ナツメ「私天野 ナツメ。よろしく、姫乃 Aさん！」



『ん。』



それだけ言う。



…ごめんね、人との関わり方が分からないんだ…。



ナツメ「Aちゃんって呼んでも良い？」



『どうぞご勝手に。』



…嬉しくても真逆のことを言ってしまう。



私はまるで天の邪鬼だ。



ナツメ「分からない事あったら何でも言ってね！」



…どうして私なんかに優しくしてくれるの。



不思議で仕方ないよ…。



『…分かった。』









＊

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