【d!】夜烏の君は幹部になった【軍パロ】男主 (ページ26)

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25羽noside ページ26

コネシマとシャオロンが訓練場で手合わせをしている頃、ゾムは地下牢にいた。
視察の際に捕まえた麻薬密売人に会うためだ。
きしむ扉を開け、独房の中へ。
その中央には手足を椅子につながれた売人の男がいた。
男はゾムを視認すると、少し驚いたような顔をして見せた後、不快な笑い声をあげた。

zm「何がおかしいんや」

ゾムは顔をしかめる。

売「あぁ失敬、これはまた珍しい方がいらっしゃったと思いまして。…元β国裏幹部、ゾム」

売人がそう言うと、ゾムは一気に売人との距離を詰め、喉元にサバイバルナイフを押し付ける。

zm「なんで知っとる。アンタ何モンや」

売人はナイフをあてられても顔色ひとつ変えずにこたえる。

売「簡単なことです。私はβ国の者ですからね。あの麻薬も我が国のモノです。どうです？欲しい情報は手に入りましたでしょう？これで麻薬のことはチャラにしてくれませんかね…？」
zm「…もう一つ。何故麻薬を売った？」
売「…言うなれば、種まきですよ」
zm「…は？それはどういう…」
売「一つ、と言ったでしょう？…でも、この国は凄いですね、国民満足度が高くて…なんの腹の足しにもなりませんでしたよ」
zm「…だろうな」

そう言うと、ゾムはインカムで何かを話す。

zm「後でお前の処分について話す。…ほんまは今すぐその減らず口を黙らしてやりたいんだがな」

ゾムは鶸萌黄(ひわもえぎ)の瞳でにらみをきかせて殺気を放つ。
売人はというと、ゾムの殺気に気圧されることなく"おお怖い"とふざけたように肩をくすめる。
そんな売人を一瞥だけしてゾムは独房から出て行った。