鬼哭啾啾【ヒロアカ】 (ページ3)

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惹かれたその音ページ3

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それは昼休みに学食に向かう途中だった

何やら楽器の音と歌声がかすかに聞こえたのは。
気づいたらその音の方向へ足を向かわせていた

こんな階段で何してンだ
屋上に続く階段で…インキャかよと思いながら向かえばそこには男か女か分からない白髪長髪の奴がギターを弾いて大きくはない声量で歌っていた

それが酷く惹かれた

何でかなんて知らねェけどこいつの奏でる音に強く酷く惹かれたんだよ

「…あ？」

『あ…』

お互い違うタイミングで同じ言葉を発した
人がいると思わなくてびっくりしたAは頭上にハテナを浮かべているようだった

『…ごめん、うるさかった？』

「…別に。なんか音がしたから見に来ただけだわ」

惹かれたなんてことは口が裂けても言えねぇから適当に誤魔化す。するとギターをいじりながらも奴は話しかけてきた

『……君はもしかしてヒーロー科？』

「あ？そうだけどなんでわかんだよ」

『なんでって手が努力してる人のそれだからだよ』

変に落ち着いていた奴はまるで高校生には見えなかった
そして分かったように口を聞かれたのに嫌な気はしなかったのは確かだった

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彼の名前は爆豪勝己くん
気難しそうと思ったけど案外そんなことなさそうだ

ただプライドが高いだけだろう

『僕は栗林A。普通科だよ』

「けっ、なんだモブかよ」

『モブって…初めてそんなこと言われた。でもモブって悪いもんじゃないけどね』

怪訝そうな顔に思わず笑う
僕は裏方で十分だ、目立つのはそんなに好きじゃない

「目立ってナンボだろ、そんで全てにおいて勝つことが俺にとっちゃあ大切なんだよ」

『いい勢い』

爆豪くんはどんなヒーローになるんだろう
口から出る言葉はでっかくて周りに笑われることがあるかもしれないけどそんな言葉も吹っ飛ばしてしまいそうだ

「てめェは何になんだよ」

『僕の名前はAなんだけどな。僕かー、ギター弾いたり、自分のやりたいこと余すことなくやってもう後悔はない！って死にたいかも』

「あ？死ぬなや」

『別にすぐ死ぬ気は無いけど正直いつ死んでもいいかな』

きっと長くないし、こんな仕事してたら
なんて言葉を飲み飲んでそういえば食堂行かなくていいの？っと言ったらさっさと言えや！！！！って叫んで走っていった

僕悪くなくない？
面白い人だったな〜