-消えたくない、 ページ39
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宇髄に人間の食べ物が食えないことがバレた
別にバレたならバレたでいいが気まずい
無理して食ってたなんてなんか恥ずかしいし
でもこの男は私に怒りを向けた
胸倉を掴んで、何故か悲しそうな顔をして
"何故、お前は自分を蔑ろにする？"
聞き飽きた言葉にAは憤りを感じた
蔑ろ？そんなもの蔑ろにでもしないと喰種は世界に馴染めないだろ？
それに…私は諦めの悪い奴だから
『なんでこんなことしてると思う？』
バツの悪そうな宇髄
別にそんな顔をしてほしいんじゃない
ほんの少しだけでいい
私という喰種は…
『…人間に戻りたいから。美味しい食べ物の味を何時の日か感じられるようになるんじゃないかって…そんな日は来るはずないけど期待くらいしたって良いでしょ』
元は人間であったということを知っていて欲しい
私は喰種じゃなかった
元は悪を滅し、喰種を滅する人間だった
この世界にはそれを知ってくれる人がいない
当たり前だ。別の世界だからいる訳が無い
だからこそ恐ろしく不安になることがある
人間だった頃の私が消えてしまうんじゃないかって
『ごめんね。これは私のほんの少しの我儘』
『…私って人間だったんだよ。信じてよ。怖い。このままじゃ…藤堂Aが本当に死ぬ。この世界には誰も、誰も人間の私を知らないから…』
恐怖の滲む表情を浮かべ、Aは喰種という化け物に成り果てることを恐れる
そんなAに宇髄は思わず腕を引き抱きしめる
出会った時は強気で自己犠牲をしながらも自分がどういう生き物なのか証明したド派手なやつだと思っていた
しかしどうだろう
なんて不安定で可哀想なのだろうか
コイツの過去は知らない
でも恐らく壮絶で悲劇的だったんだろう
Aという人物がそれを物語っている
まるで壊れながら生きているようだ
「…わかった。お前を信じるぜ、俺は。だから人間だった頃のお前を教えてくれよ。今じゃなくたっていい。人間だった藤堂Aを殺さねえよ。生かしてやる」
そんな俺の言葉にAは俺の顔を見上げながら驚いていた
しかしすぐ俺の胸に顔を埋めるA
肩が震えている
泣いてるのか
柱合会議前に出会ったAとは似ても似つかない
それほどまでに弱かった
『…私は、消えなくて済む、んだ』
くぐもった声は、夜の縁側で酷く悲しく響いた
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あやりん - 何か､これ見ると、落ち着く。。。 (2020年7月21日 18時) (
レス) id: 5191a250c9 (このIDを非表示/違反報告)
兎吐(プロフ) - 瑞稀さん» 初めまして！そう言っていただけて嬉しいです......ちょっとほのぼの入れたかったので笑最近忙しくて更新遅いですが気長に待っていてくれると嬉しいです（>_<）コメントありがとうございました！ (2019年9月28日 13時) (レス) id: 0a7202a43e (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - 鬼滅×喰種最高です…！！！！！すっごく面白いです。やっぱ喰種切ない…嫁さんたちとのわちゃわちゃ可愛かったです笑笑 こうしんたのしみにしてます！ (2019年9月28日 1時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
ARIA(プロフ) - 私の端末ではフラグは付いていないです！更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年9月1日 20時) (レス) id: 2bba374a3f (このIDを非表示/違反報告)
菊藤(プロフ) - とても面白いです！頑張ってください！応援してます続き楽しみにしてます！ (2019年9月1日 17時) (レス) id: 7ca2f89356 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うる。 | 作成日時：2019年8月31日 0時
