忘却の世界線【鬼滅×喰種】

-人間臭くて ページ37

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



それから質問攻めでどんな世の中なのか
鬼はいるのか

まあ様々な質問に私は快く答えてやった


元々宇髄から私は喰種という生き物で人間を食らうというのは知っていたらしい

なのにこの対応に疑問しか浮かばなかった
鬼となんら変わらないのに



『何故私を怖がらない？』



「ええ？怖がって欲しいの？」



『違うよ。鬼と変わらないんだよ、私』



すると三人は顔を見合わせ、可笑しそうに笑った




「天元様から聞いたの。貴方元は人間なんでしょう？それに…柱の方々やお館様に貴方にだけ効く刀を渡したって聞いたよ」



「…自分の命を差し出しているようなものじゃない。そんなことまでしているのに信じないわけがない。それに…」



「それがあったとしてもなかったとして私たちは信じる。Aちゃんからは悪い感じがしないもの！元くのいちの言うことは確かよ！」



そんなあたたかすぎる言葉ばかり

私に見合うはずなどない。眩しい、眩しすぎる



目が潰れるわ



思わず私は湯に沈む

すると三人はなんで！？と私をどうにかしてあげようとする



今は顔を見せたくないんだよ
馬鹿みたいに泣きそうでゆるゆるな顔なんて



死んでもみせるもんか




『…ぶくぶく』



「ぎゃー！！Aちゃんがしんじゃううう！！」



「ちょっと！！！うるさい！！ご近所に迷惑でしょうが！！」



「須磨もまきをも同じくらいうるさいのよ…A、貴方も恥ずかしがらず出てきなさい」



『…む。恥ずかしがってないわ、ばーか。おまえらの言うこと臭くて鼻が曲がりそうになっただけ』




なんですって！？と三人は叫び、その後どんちゃん騒ぎになったのは内緒にしておこう



こんな馬鹿みたいに人間っぽいことしたのは久しぶりで、懐かしい気がした





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




ふろ場からギャーギャーと聞こえる嫁三人の声
会いにくAの声は聞こえないから…きっと三人が元気すぎて呆れているのだろう




「仲良くやってるそうで良いが派手にうるせぇな…全部聞こえてくるんだが」



祭りの神は一人酒を飲み、嫁三人とAが風呂上がるのを待っていたのだった

-秘密なこと→←-女子会

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す