忘却の世界線【鬼滅×喰種】

-死に腐れよ ページ28

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喰種になった私と滝澤は荒れに荒れた

きっと什造やアキラが私たちのことを見たら誰だかわからないくらいには化け物になってしまったと思う



黒かった髪も多大なるストレスにより色素が抜け、老婆のように白い髪に変貌した


何のストレスか？

それは嘉納という私たちを喰種にしたマッドサイエンティストによる拷問という名の"テスト"だ



正面からの痛みがどれだけ惨いことなのか
身をもって体験したよ



痛覚は人間のまま

だけど身体は正真正銘喰種のもの
粘膜からRc抑制剤を投与され、何度も何度も身体を切ってちぎってを繰り返す



何度も何度も死んでしまった方がマシだと叫んだ
殺してくれと叫んだ



でも身体は死ぬことを知らず何度手足を切られてもトカゲのように生えてくる





決して、逝かせてくれない


薄れゆく意識の中で嘉納の悪魔のような笑みは未だに脳裏にこびり付いて離れやしないのだ




そんな拷問のおかげで私は痛みに疎くなった

どんなに傷つけられても響かない
あんな拷問に比べればクインケでの攻撃でも何だろうがへっちゃらだった

だから別に盾に使ってくれても構わない
それなりに役には経つだろ



まあ、私の話はこんなもんだろうか

別にあとは話すことは無い






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静寂がお館様と私を包み込む

自分の話なんてしても胸くそ悪いだけだ
思い出すだけで気持ち悪くなってくるのだから



『…まあ、鬼殺隊が鬼になってしまったのと同じだよ。胸糞悪い話でごめんね、お館様』



「いいや…話してくれてありがとう、A。少しだけど君のことを知れた気がする。然しね、君は何処か自分を蔑ろにする性分らしい。Aを盾にすることなんて絶対にないからね」



"自己犠牲"

よく言われたな、先輩にも、同輩にも
これだけは人間時代から治らないらしい




『あは、善処するね』



なんて言ったって死にたい気持ちは消えないけど
何時だって死を求めるさ



生きてたって何の希望もないからね





『でも私は人間はやっぱり怖いや。少しだけ信用してるよ、お館様』



「うん、ゆっくりでいい。少しずつだけど慣れて言ってくれたら嬉しいよ」



そうやって微笑むお館様を見て、思わず私も笑った
優しい気持ちで微笑むのは何年ぶりだろうか

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