忘却の世界線【鬼滅×喰種】

-夜は、荒む ページ22

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私は神代利世の赫包を移植された

彼奴は大食いと言われていた喰種だ
勿論、元々CCGの私はよく知っていること




だから、神代利世の赫包を植え付けられた私もまた大食いを受け継いでいる



普通の喰種よりも食べる頻度が多い
直ぐにお腹が空き、飢餓状態になることがある



数回、そうなってしまったことが以前にあった
一度目は過ちを犯してしまったが他数回はセイドウが止めてくれたから被害はなかったね



綺麗な月を縁側から眺めながらそんなことを考えていた


あの後しのぶが疲れただろうから今日はゆっくり休んでくれということで部屋を貸してくれたのだ

遠慮なく借り、すっかり眠りについてしまっていて気づけば陽は沈んでいて夜になっていた


大正の月も、平成の月も何も変わらない

ずっとずっと綺麗なままだ
色々と思い出すね〜


道を踏み間違えアオギリとして生きることを決めて喰種ということを受け入れて




人を無差別に殺していたあの頃を







『……人間なんて、食いたくないんだよ』




殺すことに躊躇うことがなくなっても食いたくはなかった

意地でも食わなかった
食ってしまったのは人生で二人




思い出したくも無い記憶だわ




大食いの私にとって人間を食らわないのは死ぬほど辛い

飢餓状態が物凄く怖い
あの状態を思い出すだけで…情けないが手の震えが止まらないんだ




だから人間を食べなくて済むのなら自分の身がどうなろうが構わない



傷まみれの腕を摩り、ぼうっと月を眺める





『…麻婆豆腐ってどんな味だったけな。もう忘れちゃったよ』




夜になると、心が酷く荒む

成り行きで鬼殺隊に入隊した私
本当によかったの？



喰種として生まれ落ちてそんな経っていない私は人を傷つける自信しかないのに

少しの自分の欲求のために入ってしまったも同然だ





『あの時、人を殺す素振りを少しでも見せれば柱たちに殺されていたかもしれない。惜しいことをしたね』





殺されていた方がよっぽどマシだったんじゃないか


今まで殺した人達の分まで苦しみ生きろよ


十分苦しんだよ。もう楽になりたい


もう共食いは出来ないね次は何を食べるの？


自分の肉はもう食べたくない、だって不味いもの


鬼だよ。鬼なら食べても文句は言われない



『うるせえ、出てけ、私の脳内から出てけ』




どうしたら、救われるのだろうね

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