言えなかった本音 (ページ3)

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チーン
エレベーターが階に着くと、

「どうぞ」

「あ、ありがとうございます」

私が降りると、後をついてくる男

「わー、お隣さんだったんですね。僕、ここなんですよ」ニコッ

疲れたと言いつつニコニコしている男

(ホントにイケメンだなぁ)

「あ、やっぱりそうだったんですね。なんか声が聞いたことあるなーと思ってたんです」

「えっ？僕うるさかったですか？？」

ごめんなさいと謝る彼は私より年下だろうか？

「あ、いや。うるさいって言うか…その、たまに歌歌ってません？」

「あ…」

言うおか迷ったけど、言ってしまった

するとみるみる顔が赤くなっていく彼

「やー恥ずかしー。聞こえてたんですかー」

両手で顔を押さえて恥ずかしがる彼は、なんだか幼く見えた

「ふふっ、ちょっとだけですよ。綺麗な声だなって思ってて。でもまさか、男の人とは」

「あーもうホント恥ずかしい。すみませんでした」

「いえいえ、いい声でしたよ」

「あ、僕キムソクジンって言います。お名前聞いてもいいですか？」

「…佐藤です」

「佐藤…なにさん？」

「Aです」

一瞬名前を言うのを躊躇ったけど、お隣さんだもん、良いよね

「Aちゃん！あ、Aちゃんって呼んでもいいですか？？改めてよろしくお願いします」ニコッ

「こちらこそ。じゃあ、おやすみなさい」

これが私たちの初めましてだった

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