言えなかった本音 (ページ2)

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病院に暇な日は無い

毎日患者は来るし、毎日急変がある

それは仕方がない

今日も激務を終え、帰路につく

深夜1時

(晩ご飯はコンビニでいっか)

マンションの一階がコンビニで助かる

♪～
いらっしゃいませー

聞き慣れた開閉音

適当に晩ご飯を選んでいると

♪～
コンビニの開閉音を、聞いたことのある声が口ずさんでいる

隣を見ると、びっくりするほどのイケメンが、真剣な顔でおにぎりを選んでいた

「？」

(あっ…やばっ)ぺこり

私の視線に気づいた男の人は、なに？っと顔を見てくる

私は慌てて会釈して、レジへと向かった

(びっくりした。すっごいイケメンだった。あの人ってお隣さんだよね？えっ、男の人？)

多分間違いないと思う
高音で綺麗な声だったから

てっきりお姉さんかと思っていたのに

(まさかの男？

しかもイケメンって)

少しドキドキしながら、マンションのエレベーターに乗る

「あ、すいません、乗ります」

ドアが閉まる前に、さっきの男が言う

私は急いで開ボタンを押した

「ありがとうございます」ニコッ

「いえいえ」
私は閉ボタンを押す

「あ、おんなじ階なんですねー」ニコッ

「そうなんですね」

「こんな時間に買い物ですか？」

「ええ、まぁ」

「仕事帰りですか？僕もそうなんです」

彼が着ていたのは、このマンションの近くにある有名な工場の名前が書かれた作業着だった

(そらその格好なら、仕事終わりよね)

「…そうですよね、お疲れ様です」

「はい。ホントに疲れました…はぁ」

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