だから私は馬鹿な女のフリをする

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犯罪都市米花町


毎日何処かしらで事件が起こっているこの町


それは私の周りも例外でなく
何度か事件に居合わせたことがある


でも思う訳ないじゃないか




私の彼が大切な人がある日突然殺されるだなんて


不変だと思っていた私だけの小さな平和が突然後ろから何者かに1つピースを取られただけで音を立てて崩れた





3年も前の話だが大切な人が死ぬ瞬間を見てしまった
大切な人が私を守りながら死んで行った





普段普通に生活していたら見ることの無い銃でバンッと




そして殺された筈なのに事故死で処理された彼
訳が分からない


あんなにお人好しで訳が分からない程に優しくて
そんな彼が誰かに殺されることは確かに有り得ないけど


彼は銃で撃たれて死んだのだ





その時はバーボンと呼ばれた安室透によって


それは紛れもない真実だ




彼が死んで3年
私の目の前に現れた人殺し



神様と彼がくれた復讐のチャンスだと思った




あの時とは違って爽やかな笑顔で人を殺した手でコーヒーを入れ料理を作っていた




何度彼の入れたコーヒーや作った料理を吐きそうになったことか

いつも美味しいと言って飲んだり食べたりしていたが
私には彼の入れるもの作るもの全て血生臭く感じて人の血肉を口に入れている気分だった


私はそれを顔に出さないように笑顔で彼を探った


どうやって人殺しと暴いてやろうかと
どんな復讐をするか




そう考えるだけで私は自然と笑顔になれた

私はカラスミパスタの上に乗ったパセリをカンっとフォークで貫きながら



｢バーボン｣



笑顔でそう呟いた

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