花束で殴る

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ふと目が覚めると彼女の家だった



彼女はまだすやすやと眠っていて
大人びた顔立ちが寝顔になるとぐんと幼くなって
いつも少し口が開いている



起きないようにちゅっと軽くキスをし頭を撫でる


昨日は冷静ではなく彼女に縋りついてしまったことを今更後悔する



｢余裕ないなぁ、、、｣



ボソッと呟く


余裕がないどころじゃない
彼女は明らかに僕じゃなく元彼が好きなのだろう



鈍感な僕でもわかる




かと言って彼女を渡したくはない
その気持ちは変わらない




｢れ、、ぃ｣




彼女の声がふと聞こえて目を見開いた
れいと呼んだ彼女は苦しそうな表情で未だ眠っている


そういえば彼女が元彼に抱きしめられているとき
｢零離して｣と言った



あぁ、寝言で呼ばれるのは僕じゃないのか
落胆する気持ちとそうだろうなと納得する自分がいる



しばらくすると彼女の頬に涙が伝う




｢あいしてる｣




彼女は確かにそう言った




その言葉は僕を苦しませるのには十分すぎた




彼女が起きる気配がして僕は締め付けられる胸を押さえつけながら
もう一度目を瞑り寝たフリをした






目が覚めて隣で震えている彼女を僕は今抱きしめることができない





ｰｰｰｰ
お星様が赤くなりました!!
ありがとうございますᵕ̈*

結構しんどいお話が続いているので箸休め程度のむかしの夢主ちゃんと零さんの幸せエピソードを入れようと思ったんですがこれもこれでしんどい話になってしまった、、、なんでだ
また今度幸せを噛み締めるような話を別途書きますね
これからもこの作品をよろしくお願い致します。

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