花束で殴る

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一目見て彼女を抱き締めている人が彼女の元彼だと気付いた


Aさんから少しだけ聞いていた元彼の話



誰もが見惚れる程のイケメンで
なんでも出来て完璧


彼には私は必要ないんじゃないかと感じることがあったと僕に語った彼女

付き合った当初その話を聞いた僕はその儚げな表情に胸を高鳴らせたが同時に胸がズキッと痛んだ



彼女の語る表情からは未だに彼を愛おしく思っていることがひしひしと伝わってきた
いつもは分かり辛い表情もその時だけは人の感情に鈍い僕でも彼女の感情がわかってしまった





６年経ったそう思っていた



1度も見たことないがAさんを置いていなくなった最低な彼は6年も経ったらもう現れない
どこか安心していた



けど結婚直前に現れた



僕の目の前で僕の彼女を自分のものだと主張するように彼女を強く抱き締めている



想像以上の容姿


綺麗なスカイブルーの瞳に透き通るようなプラチナブロンドの髪
同性の自分でも見惚れてしまった


これでなにもかも完璧だと言われると
僕よりこの人の方が彼女に似合っているそう思ってしまった



でも彼女が僕を見て微笑んだ

そして苦しそうな表情をして泣きそうになっている


ガツンと頭を殴られたようで
何が彼女をそんな顔にさせているのか僕には分からなかった



でも彼女を置いていった人に彼女を幸せにすることができるのか??


いや、できない



少なくとも僕は彼女を置いて消えたりはしないし
突然6年後現れて彼女を困らせたりはしない



彼女はよく笑ってくれた
出会った当初は必死な僕を訝しげに見ることが多かった


でも彼女は今では僕と一緒にいると楽しいと心から笑えると
だから私も貴方と結婚して貴方と幸せになりたいとプロポーズを受け入れてくれた



彼女は1度は僕と幸せになると決めてくれた


彼女の元彼が今更現れて
彼女の気持ちも知らずにその元彼に彼女を連れていかれるなんて納得が出来なかった



この後、Aさんの気持ちが変わって
ごめんなさいと言われても今だけは彼女を離してはいけない気がした




何が彼女を辛い表情にさせるのかわからないまま手放したら
これこそ彼女を振り回しただけの男に成り下がるようで



普段なら絶対にしないが
大きな声を上げて彼女の腕を引き寄せ僕の彼女だと宣言した


＿＿＿＿
更新遅れてすみません
これからは物語の区切りまで書いて書けたら一気に更新という形をとろうと思います
ノロマ更新ですが気長に待ってくれると嬉しいです

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