花束で殴る

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日が傾いてきた頃

そろそろ店を閉める時間だなと思いつつ
私は店の外の花達を片付けていた


“ｶｻﾞﾐ”さんはまだ花束を取りに来ない


これは閉店ギリギリかなと考えつつ
今日は閉店後今の彼、朝陽さんと予定がある

早めに店を閉めたいがそうもいかないので花束を渡したらすぐ閉められるように
手早く片付けを進める


外に出していたエボルブルスを中に入れようと手をかけた時


車の音が聞こえ
ふと振り返ると白いスポーツカーが店の前に止まった



“ｶｻﾞﾐ”さん、、、??



凝視していると扉が開きすらっとしたグレーのスーツを纏った長い脚が出てきた


嫌な予感がした



その予感の通り車から出てきたのは降谷零だった
私は手をかけていたエボルブルスを持ち上げ急いで店の中に入った

昨日花束で殴られた事を忘れたのか??
私はそんなことを思いながら店の奥まで行く


彼はそれを気にもしない様子で店に入って来た



｢A

花束を取りに来た｣



彼はそう言った
花束??この花束の依頼主は“ｶｻﾞﾐ”さんだ

何だと思ったが
彼は僕が頼んでも君は受けないと思ったから“ｶｻﾞﾐ”という部下に頼んだと言った


騙されたような形で腹が立ったが花束を渡す為に私は店の奥から花束を持って彼の前に出た

彼は私がすんなり出てきて驚いたのか目を丸くしていた


｢ありがとう｣


と言って彼は花束を受け取り代金を支払った

私は一言も発さずに代金を受け取り奥に戻ろうとした


すると、ぐんっと腕を後ろに引っ張られ体が後ろに傾く
彼は後ろから左手で私の肩を支え右手には花束を持ち私に花束を傾けた



｢すまなかった｣



彼は再会した時1番最初に言った言葉をまた言った
カァっと頭に血が上る感じがした

私は彼の左手を払い振り返って彼の頬を叩こうとした

その行動は虚しく
彼を叩こうした右手は彼の左手に止められた


私は離して欲しくて左手も使って私の手を掴んだ彼の左手を剥がそうと暴れた
しかし、ビクともしない



彼は右手に持っていた花束をレジのカウンターに置き
右手で私の左手を掴んだ


バッと顔を上げて彼を見た




私は彼の顔を見てかちりと固まってしまった






思い切り睨んでやろうと思って見た彼の顔は見たことないくらいに悲しく切ない顔をしていたから






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アメリカンブルーはエボルブルスの別名です
ヒロインは瞳の色を例える時エボルブルスとは言わずアメリカンブルーと言います
何故でしょうか?
今日はもう1話更新する予定です

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