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それからの授業中は放課後のことで頭がいっぱいでまともに内容が入って来るはずがなかった。
...いつもそうなんだけども、、
放課後の始まりを告げるチャイムが鳴り響けば俺は荷物を乱雑に掴み教室を飛び出した。
後ろから大ちゃんが 部活行こうぜ！と声をかけてきたけどそんなの後回しだ。
今は彼との約束が第一優先。
腕がツキンと痛んだ気がしたが傷も俺に行けと言ってるんだろうと解釈して足を速める。
図書室に着き、ドアを開ければそこには誰もいない。
アイツ、誘ったくせに先に来てねえのかよ。
大人しくテーブルに備え付けてある椅子に座ってるわけにもいかず、図書室の中を歩き回る。
図書室に来たのはほぼ初めてと言っても過言ではない。
綺麗に並んでる棚と棚の間を抜けて奥の方まで進んでいく。
すると一箇所薄暗い図書室の中に日の光が差している場所があった。
そこの近くの棚に背を預けて眠っている男が一人。
綺麗な彼を日の光が包んでいて幻想的だ。
目を閉じているから眠っているんだろう。
何もこんなとこにいなくてもいいのに、、
横にしゃがみこみ彼の綺麗な顔を見つめる。
ぱっくりと開いた柔らかそうな唇に視線が行ってしまう。
無防備なその姿は思春期真っ盛りの俺にとってはキツい。
女みてえな顔したコイツじゃ下を見せつけられない限り男だとは思わねえしキスくらい余裕で出来そうだ。
彼女と上手くいってない俺にとってはストレス発散に少しくらいは、なんて考えも出てくる。
...ちょっと触るぐらい良いよな？
その魅力的な唇にやられて思わず指を彼の唇に近付ける。
ゆっくりと触れたそこは見た目通りフニフニしていて、指で触れただけでも気持ちいい。
彼が中々起きないのをいい事に何度も触ってしまう。
「 ...そんなに触って、俺とキスしたい？」
パチッと綺麗な二重が開いて俺を見つめながらそんなことを言ってきて。
寝てたはずじゃねえのかよ、、
そんなことを思ってると突然俺の首に廻される彼の細い腕。
俺を見つめてくる表情は妖艶で。
「 なーんてね、冗談冗談 」
突然のことに驚いて動けずにいると彼がクスリと笑い、俺の首に廻していた腕を解いた。
よいしょ、と立ち上がればまだ床に座ったままの俺を不思議そうに見つめてくる。
「 なーに、もう俺が引っ張って立たせてあげる 」
そう言えば俺に手を差し出してくるから、ちょっと仕返ししてやろうと差し出された彼の手を自分の方へ引き寄せた。
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作者名：かすたーどばにら | 作成日時：2018年8月22日 17時
