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「伊野尾ちゃん！！」
「何だよやまだ〜」
あれから俺等は“伊野尾ちゃん”、“山田”とお互いに呼び合うようになった。
そしてそこにいつもあるのは伊野尾ちゃんの哀しげな瞳と大ちゃんの複雑そうな顔。
どちらもじっくり見ていないと分からない様な小さな変化だ。
俺が伊野尾ちゃんと仲良くなるのは大ちゃんにとってそんなにも複雑な事なのだろうか。
あ、それとも大ちゃんは俺が伊野尾ちゃんと仲良くなって嫉妬してんのか。
どちらの意味でも。
なんだ、大ちゃんも可愛いとこあるじゃん。
三人で放課後も遊ぶ様になったりするにつれて、俺は彼女と過ごす時間をどんどん失っていった。
でも俺はそんな事、さほど気にしていなかった。
俺が学校に復帰してからすぐに告ってきたのが今の彼女。
だから別に居ても居なくてもどうでもいい。
その程度の存在だ。
むしろ今は伊野尾ちゃんとの時間が大切だ。
この短期間でよくそんなに仲良くなれたな、なんて。
伊野尾ちゃんを通して雄也とも仲良くなれて、大ちゃんしか特別に仲良い奴が居なかった俺の世界がどんどん広がっていった。
「伊野尾ちゃん、今日の放課後に新しく出来たカフェに行こうよ」
昼休みになって伊野尾ちゃんを誘いに行くと、俺が来たことによって伊野尾ちゃんのクラスの女子達がザワつく。
「なに、俺以外に誘えるお友達は居ないんですか〜？」
「そんなことねえよ、俺は伊野尾ちゃんが良いから伊野尾ちゃんを誘ってんの」
半分は嘘で半分はホント。
確かに俺に誘える友達は居ない。
でも、俺が伊野尾ちゃんを誘いたいのも事実。
「仕方ねえから行ってやるよ、このイケメンが」
微かに、でも確実に。
俺の言葉に伊野尾ちゃんの頬がほんのりと色付いた様な気がしたんだ。
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更新サボってしまってすみません、、
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作者名：かすたーどばにら | 作成日時：2018年8月22日 17時
