08 ページ8
.
「 つかお前仕事行かなくていいのかよ 」
「 は、？今何時？」
「 10時 」
確か今日は11時からスタジオで番組の収録があったはず。
「 やっべえ！遅れる！俺帰る！」
「 は？おい、待てって ... 」
山田が何か言おうとしてたけどベッドから飛び降り玄関に向かう。
確かここから家まではそう遠くねえしシャワーを浴びる時間はあるはず。
「 じゃあな！」
そう俺は一言だけ残して山田の家を飛び出した
「 ったく、なんなんだよアイツ ... 」
何て俺が忘れた上着を握りしめながら呟いてるとも知らずに俺は必死で走った。
.
「 ふぅ ... 、」
何とか収録にも間に合い今日の仕事も全部終わらせ、マネージャーの運転する車で家に帰る。
何か、すっげえドキドキした ...
今更になって山田の家でのことが蘇る。
甘い匂いしてたし部屋も片付いてたし、それに起きてすぐ山田の顔も見れて俺が山田のベッドに寝てて ...
頭の中が山田でいっぱいになってしまう。
山田やっぱり優しいし。
あんな奴が俺の事好きになってくれたら、なんてくだらないことを考えてしまう。
彼が俺のことを好きになる事なんて一生ないのに。
そこまで考えて急に孤独感が俺をおそう。
恋愛小説や漫画の主人公達は皆可愛い女の子ばかり。
好きな男の子に自分の事も好きになってもらおうと必死に努力出来て。
その恋が実っても実らなくてもキラキラしてて
色んな人に応援してもらう事も出来る。
俺とはほんとに真逆だ。
俺は好かれる努力じゃなくて嫌われる努力をしてて。
俺の恋はキラキラなんてしてなくて。
この恋心を打ち明けられるのも薮だけ。
俺が女の子だったらもう少しはマシな恋が出来てたんだろうか。
そんな事を考えても無駄なだけなのに。
たまに考えてしまう。
薮に、話聞いてもらおっかな。
ケータイを開き連絡先の中から薮の名前を探して電話をかける。
「 ん、もしもし？今からいつものお店来て 」
「 おう、仕方ねえから行ってやるよ 」
薮はすぐに俺が何を言いたいのかに気付いてくれる。
要件だけ告げて電話を切り、マネージャーに声をかけてメンバーが良く行くお店に向かってもらう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 542人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「やまいの」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かすたーどばにら(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます！まさか大好きな作者様の翠さんからコメントもらえるなんて思ってもみなかったのでとても嬉しいです...！はやくすれ違ってるふたりをくっつけたくて日々頑張ってます（笑）更新頑張ります！！ (2018年8月14日 0時) (
レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - コメント失礼します！！！とても好きです！このすれ違い具合がたまらなく愛おしいです...！これからも更新楽しみにしてます！！ (2018年8月13日 14時) (レス) id: a6b1b35491 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーどばにら(プロフ) - ひとみさん» そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです！なるべくたくさん更新できるように頑張りますね！これからも頑張るので応援お願いします！（笑） (2018年8月11日 10時) (レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーどばにら(プロフ) - Vさん» 返信遅くなってしまってすみません！いつも読んでくださりありがとうございます！私も書いてて楽しいです（笑）完結できるように頑張りますね！ (2018年8月11日 9時) (レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - この作品大好きで、更新を楽しみにしてます！！ 続きが早く読みたくってｳｽﾞｳｽﾞしてます(笑) (2018年8月10日 8時) (レス) id: c0bd1ad421 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かすたーどばにら | 作成日時：2018年3月16日 22時
