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“ 伊野尾ちゃん、起きて ”
遠くからそう呼ばれている気がして瞼を開けようとするけど、中々持ち上がってはくれない。
俺の頬には冷たくて気持ちいい何かが触れていてそれをきゅっと掴む。
頬を擦り寄せるとその冷たさには何故か前にも同じような事があったことを思い出させた。
「 んん...きもちい、」
それが何か気になって意識を浮上させようと霞む視界の中瞼を開けた。
少し身体を動かすだけでフワリと漂うその甘い香りには嗅ぎ覚えがあって胸がキュンと締め付けられる。
それとは別に何か美味しそうな匂いもしていて、それが分かった瞬間急に目が覚めた。
「 おはよう、伊野尾ちゃん 」
目を開けてみると俺が寝ているベッドの横に甘い笑みを浮かべながら俺の頬を撫でる山田がいた。
ぼーっとした意識の中それだけはハッキリと捉えることが出来た。
「 ふぁ、やまだ...？」
「 そうだよ、山田だよ 」
なんで俺山田の家に居んの、とかなんでこんなに山田が優しくしてくれるのとか熱のあるこの頭では考えられそうにない。
嬉しい、そう素直に思ってしまったのは悪い事。
また迷惑をかけてるんだから。
「 なんでおれ、」
「 良いから、さっさとそのお粥食べて薬飲んで 」
多分ここは以前にも来たことある山田の家。
なんで俺がここにいるのかと聞けばその質問は無視され、お粥を食べることを命じられる。
身体をなんとか起こし、お粥の横にあるスプーンに手を伸ばしても上手く力が入らず食べることが出来ない。
その間もずっと山田に見つめられていて心臓の音が早鐘を打つ。
山田を怒らせたくなくてビクビクとしながらも食べようとするがやはりそれは叶わない。
「 貸して、それ 」
ずっと黙っていた山田に急に声をかけられ、ビクッと肩が揺れる。
おずおずとスプーンを山田の方に差し出せば山田がそれを使ってお粥を少量のせ、ふーっと息を吹きかける。
その行動に意味が分からずただぼーっと見つめているとこちらに向けられたお粥ののっているスプーン。
「 はい、口開けて 」
「 へ？いや、あの、じぶんで食べれるって... 」
「 早く食べてくんないと俺の腕疲れるんだけど？」
そう言われてしまえば食べるという選択肢しかなくなってしまう訳で、覚悟を決め口を開けた。
ぱくんと口に含むと優しく温かみのある味が口の中に広がる。
「 おいしい... 」
今までだったら有り得ないその行動に頬が緩んだ
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かすたーどばにら(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます！まさか大好きな作者様の翠さんからコメントもらえるなんて思ってもみなかったのでとても嬉しいです...！はやくすれ違ってるふたりをくっつけたくて日々頑張ってます（笑）更新頑張ります！！ (2018年8月14日 0時) (
レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - コメント失礼します！！！とても好きです！このすれ違い具合がたまらなく愛おしいです...！これからも更新楽しみにしてます！！ (2018年8月13日 14時) (レス) id: a6b1b35491 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーどばにら(プロフ) - ひとみさん» そう言っていただけてめちゃくちゃ嬉しいです！なるべくたくさん更新できるように頑張りますね！これからも頑張るので応援お願いします！（笑） (2018年8月11日 10時) (レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーどばにら(プロフ) - Vさん» 返信遅くなってしまってすみません！いつも読んでくださりありがとうございます！私も書いてて楽しいです（笑）完結できるように頑張りますね！ (2018年8月11日 9時) (レス) id: 830b7600a3 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - この作品大好きで、更新を楽しみにしてます！！ 続きが早く読みたくってｳｽﾞｳｽﾞしてます(笑) (2018年8月10日 8時) (レス) id: c0bd1ad421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かすたーどばにら | 作成日時：2018年3月16日 22時
