偽りの自分を 【 YM × IN 】

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男同士なんて気持ち悪いと拒絶され、ましてや大嫌いなお前なんて無理だと言われる。
そんなの俺には耐えられない。



彼と俺には幸せな未来なんて見つからない。
だから彼が俺の事を嫌いだと分かった時から俺はウソを吐き続けている。



こんなにも好きな彼のことを俺も嫌いだと言っている。
彼だってそれを望んでいるはずだ。
自分のことを好きな俺よりも自分のことを嫌っている俺の方がまだ接しやすい。



山田のことを好きな俺なんて要らない。
それも、恋愛感情で好きな俺は彼の迷惑にしかならない。



これからもこの気持ちを伝えることは決してないと思う。



でも、俺が確かに山田のことを好きだったというホントのことを誰かに知っていて欲しくてもう何年も前に薮に打ち明けた事がある。
薮は否定する訳でもなく、俺のこの気持ち悪い片想いを受け入れてくれた。
山田の為だと思っていてもウソをホントにするのはとても大変で、辛くなったら薮に慰めてもらっていた。



最近はほとんどそんな事もなくなっていたが、俺の心が麻痺してしまったのかはよく分からない。
まだ心はズキズキと痛んで抉られていく。



山田と二人で居る時間は息が詰まりそうで少し苦しい。
山田は俺のことを視界にも入れようとしてくれなくて、必要以上の会話はしようとしない。



それこそ、最近は“やまいの”なんて騒がれていて段々と増えてきた俺と山田がペアの雑誌の撮影。
俺には嬉しいのか嬉しくないのかなんてもう分からない。



好きな人とくっついてその場ではちゃんと俺に笑顔を向けてくれる。
でもそれは仕事だから。
仕事という名目で大嫌いな俺に笑顔を向けなくてはいけないなんて山田が可哀想だ。


俺が彼に出来ることは、今この瞬間を少しでも早く終わらせることだけだ。




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