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飲み会が始まって約30分。

隆二の隣は積極的なナナちゃんが陣取り
なかなか話が弾んでいるみたい。

登坂の横には、目をハートマークにしたリホちゃんがいて

そして

私の目の前には
あの、健二郎さんがいる。



「今日は大人しいやん、どうしたん?」

「え、そ、そうですかね?」



だめだ
意識しすぎてうまく話せない。


片想いすると決めてから一年。
挨拶とか、日課にしてるとはいえ
まともにこうして話すことなんて
ほぼ初めてなんだから。



「今日の飲み会、隆二とAちゃんが企画してくれたんやろ?
若手で懇親を深めたいって」

「え、は、はい」


合コンではなく、飲み会。
そう決めて、適当に理由をつけたのは、健二郎さんを誘った登坂だ。

若手というには歳が行きすぎてる気がしなくもないけど
まぁそれで納得してくれてるならかまわない。



「俺もゆっくり皆と話してみたいなて思てたから良かったわ。ありがとうな」


そう言って、にこりと笑う健二郎さんを見て
私の胸は熱くなる。


好きになってはいけない

だけど、心は嘘をつけない



もう私の気持ちなんてばれちゃってるんじゃなかろうか、なんて
少しだけ不安になってきていたところで



「飲んでますかぁ!!」



いつの間にか出来上がってるナナちゃんが
突然こちらに絡んできた。

その隣では両手を合わせて申し訳なさそうにする隆二。

ちょっと!あんたがついていながら、飲ませすぎでしょう!


まぁ、好きな人と話が出来て
舞い上がってお酒がすすむ気持ちは
わからないでもないんだけど。






「飲んでるで!
てかナナちゃん飲みすぎてへんか?」

「こんなくらいへーきですよぅ!
それより、健二郎さんはぁ、彼女さんとどぉなんですかぁ!」





なにを言い出すの、この子は!





今一番聞きたくない健二郎さんの恋愛事情。

なのに、自称ファインプレーのつもりなのか
ナナちゃんは私にウィンクを送ってくる。



「彼女と?普通にええ関係やで」

「えぇー?でもたまに他の女の子も見てみようかなぁとか思いません?」


そう私に視線を向けた。


「例えば、Aさん、とか??」


待て!
振り方が雑!

慌てふためく私の目の前で
渋い顔で考え込む健二郎さんは

そのあと小さく頷いた。



「うん、確かにAちゃんとやったら毎日楽しそうやな」



他意なんてない。

そう言い聞かせても
私の心は喜びで跳ねる。

期待なんて出来ないけど
素直に嬉しい。

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じゅん(プロフ) - お久しぶりです。更新ありがとうございます! (2021年7月11日 16時) (レス) id: c029804656 (このIDを非表示/違反報告)
ちはる(プロフ) - もう、お話の続き見れないですか?(*´ω`*)わたし、NEEさんの小説も東京も大好きです(*´∀`) (2020年5月13日 10時) (レス) id: 48e30b0c83 (このIDを非表示/違反報告)
amiryu(プロフ) - NEEさんだー ( ̄□ ̄;)!!!・・好きです(///∇///) (2019年8月25日 0時) (レス) id: 536b1e31eb (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - NEEさん、お帰りなさい!!またツクールに来るのが楽しみになりました★ (2019年8月24日 20時) (レス) id: 1e1bf63da6 (このIDを非表示/違反報告)
梨香(プロフ) - いいですっ!こんな同僚2人私も欲しいです((笑))。しかも私が好きな臣ちゃん。そしてカタオモイには健ちゃん…たまりません!これからも楽しみにしています! (2019年8月19日 20時) (レス) id: 64c500100f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2019年8月18日 1時

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