４５ 第二王子 ページ45
”ナオトさんが、離れのサロンに来てほしいって”
Aちゃんから少しでも意識をそらすために
”嘘”をついたのは、記憶に新しい。
万事休す。
ここで嘘だったとわかれば
間違いなく”なぜそんな嘘をついたか”の尋問を受けることになる。
そして
いくら俺が王子でも
ナオキの尋問をごまかせる自信は
ほとんど、ない。
「それは、その」
何とかしないと、と
動揺を隠して頭をフル回転していると
それを遮ったのは
当事者となっている宮廷画家だった。
「あー、ごめんごめん、忘れてたわ！
そういえば呼んでたっけ、俺」
「え！？」
思わず上げてしまった声。
そんなはずはない。
ナオトさんが呼んでいたなんて
俺の作り話なのに
なぜ話を合わせてくれているのか
ナオトさんを見ても
その表情からは何もうかがえない。
「何か御用でしたか」
「もういいや。てか忘れた」
「またいつもの気まぐれですか」
俺の意図しない方向に話は進んでいく。
ピンチは免れたけれど
ナオトさんの意図はわからない。
「で、ナオキは何をそんな慌ててるわけ？」
「あぁ、それが、実は気になることがありまして。
タカノリ王子、最近染物の研究をしているということですが」
きた。
ナオキに一度見つかっているAちゃん。
何かがバレている
或いは、優秀なナオキの勘が警鐘を鳴らしているのだろう。
さて、どう誤魔化すか
「女性の染物師に心当たりは？」
「……なんのことですか」
とぼけるしかない。
多分、大方予想はしてるんだろう。
ナオキなら
その女の子が何者なのか何となく気付くはずだ。
彼女がもう脱出していればいいけど
もしまだ宮殿のどこかにいて
見つかってしまって
侵入者だってことがバレれば
ナオキの立場上、おおごとになってしまうことは避けられない。
「あの、それは」
「あ、そうだ、タカノリ！
ケンジロー、何かあったの？」
「はい？」
観念しよう
そう覚悟を決めた俺のペースを乱したのは
またしてもナオトさんだった。
「馬車が出ていったよ。
慌てて帰っていったみたいだから何かあったのかなぁってね」
馬車が出た？
良かった。
ケンジローさんが帰ったということは
Aちゃんを無事保護できたということだ。
それにしても
一見突拍子もないケンジローさんの話題。
ようやく気づいた。
ナオトさんはどうやら
何故だか俺を助けてくれるらしい。
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花恋(プロフ) - 更新再開お待ちしてます！ (2020年7月24日 2時) (
レス) id: 2b0127518b (このIDを非表示/違反報告)
amiryu(プロフ) - NEEさん やっと隆二さんの登場ですね〜 これからの展開が楽しみです！！ (2018年11月15日 17時) (レス) id: 536b1e31eb (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 新作待ってました！初めまして！ぷにぷにです！私は健ちゃん推しなので、早く健ちゃんに見つけて欲しいと願いながら読んでます！もぉ続きが楽しみです^ ^更新楽しみに待ってます！ (2018年6月1日 8時) (レス) id: 60df6d6892 (このIDを非表示/違反報告)
ぐら(プロフ) - NEEさんのお話だいすきです (2018年2月9日 1時) (レス) id: 07d3f7974d (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - 新作、ありがとうございます！王子が２人。。。これからの展開が楽しみです(●´ω`●) (2018年1月30日 21時) (レス) id: 83b994670a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2018年1月28日 12時
