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39 U ページ39

びっくりした!!


私はドキドキする胸を押さえながら
立ち止まったその場へと座り込んだ。



気付いたらたどり着いていた庭の木の下。
建物の中にいたらまた誰かに見つかってしまうから

そう思ってとにかく外へと逃げ出したのだ。



それにしても

まだ夢の中にいるみたい。



すぐ近くで見た憧れの王子様。

直視出来ないほどの美しいお顔に
少し色っぽいようなお声

それからまだ鼻腔の奥に残るいい香り。



気が動転するとはこのことだ。
だからあんなことを口走ってしまった。


いつもいつもあなたのことを
あなたに似合う青のことを考えてきたから

少しだけ残念だったんだ
王子が身に纏う緋色のお召し物。



でも

心の中に留めておけばよかった。
いきなり"青がお似合い"なんて
さぞエリーゼ姫はおかしな姫だと思われてしまったことだろう。



でも今はそんなことを気にしてはいられない。

私がエリーゼ姫じゃないことがわかったら
どうなるかわかったものじゃないから

とにかくここを逃げ出して……





「そこで何してるのかな、お嬢さん?」

「!!」


しまった……。

逃げよう、
そう思う間も無く
声の主は私の目の前へと現れる。



「へぇ……こりゃまた、おもしろい」



声の主は男の人だった。

個性的な布を巻き付けたような
変わった服を着たその人は

視線を私に合わせてまじまじと私を見つめている。
そして、顔は、近い。



「あっ、あの……」

「そのドレス、エリーゼ姫だね」

「はい、あの」

「だけど、きみはエリーゼ姫じゃない」




……ばれてる!

こんな一瞬で気付くなんて
エリーゼ姫を良く知る人なのかしら?


なんて!
そんなこと悠長に考えてる暇はない
とにかく急いでここを離れなきゃ


「待って。
逃げようとしてる?まぁ、待ちなって。
別に俺は、きみを衛兵につきだそうなんて思ってないから」

「へ……?」

「そんなことより
どうしてエリーゼ姫と入れ替わってるのか、教えてよ。
そしたら協力してやるから。
逃げないとやばいかんじなんでしょ?」



見れば
わくわくしたような視線で私を見つめる男の人。

よくわからないけれど
悪い人の感じは、しない。



「あなたは……?」

「あぁ、自己紹介、俺からしよっか?
俺はナオト。職業は、まぁ絵描きかな」




ナオトと名乗った絵描きだという男は
近い顔をより近付けて

そしてニヤリと笑った。




「さて、教えてもらおうか、お嬢さん。

きみは、何者?」

40 U→←38 第一王子



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花恋(プロフ) - 更新再開お待ちしてます! (2020年7月24日 2時) (レス) id: 2b0127518b (このIDを非表示/違反報告)
amiryu(プロフ) - NEEさん やっと隆二さんの登場ですね〜 これからの展開が楽しみです!! (2018年11月15日 17時) (レス) id: 536b1e31eb (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 新作待ってました!初めまして!ぷにぷにです!私は健ちゃん推しなので、早く健ちゃんに見つけて欲しいと願いながら読んでます!もぉ続きが楽しみです^ ^更新楽しみに待ってます! (2018年6月1日 8時) (レス) id: 60df6d6892 (このIDを非表示/違反報告)
ぐら(プロフ) - NEEさんのお話だいすきです (2018年2月9日 1時) (レス) id: 07d3f7974d (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - 新作、ありがとうございます!王子が2人。。。これからの展開が楽しみです(●´ω`●) (2018年1月30日 21時) (レス) id: 83b994670a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2018年1月28日 12時

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