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13 第二王子 ページ13

「染物師の……女の子、ですか」

「おう、そうや!
俺がちょいちょい町へお忍びで行くときによう話す子なんやけどな」

「……ケンジローさん、またそんなことしてるんですか」

「まぁそれはええから!話の腰折らんと聞いて」



ケンジローさんが言うには


たまたま立ち寄った仕立て屋でたまたまその女の子を見つけて

身分を隠して言い寄っているうちに
仲良くなって…




「ちょ、待ち。
"言い寄って"はないで。
仲良くなっただけや!

そんでその子がな、またええ色作るねん」


「はぁ…」

「せやから、女が染物師に向いとるっていうのは
強ち間違ってへんと思うんやけど……そや、一回会うてみる?」



持論を展開させたケンジローさんは
更に突拍子もないことを口にする。

会う?
俺が染物師の女の子と?


「会うって、どうやって」

「そんなもん、城からこっそり抜け出して……」




……やっぱりそんなことだろうと思った。


はぁ、と小さくため息をつくと
ケンジローさんが、なんやねんそのため息!と声を上げる。



そりゃ、そんなことできたらいいなとは思うけど。




「無理ですよ。
俺が勝手なことしたら色んな人に迷惑がかかる」


「まぁイイコちゃんやからなぁ、タカノリは。
せやけど正直、興味あらへん?

染物師の世間のイメージ
ぶち壊されるくらい普通のオンナノコやで?」


「…尚更イメージ沸きませんね。
大体同じ年頃の女の子なんて、他国の姫くらいしか関わりないし」




普通のオンナノコ、というのは
俺の中ではほとんど想像出来なかった。


第二王子の俺が城下におりることはないし
あったとしても厳重なお付きと共に
目的以外の場所に立ち寄ることなどまず、ない。



「かわええ子なんやけどなー!
お姫さんとかやなくてさ
元気やし平気で走り回るし」


「はぁ」


「いっぺん会わせたりたいなぁ」



元気?
走り回る?


……子供じゃあるまいし。




どんなものかと興味がないわけではないけれど
現実問題会う方法なんかあるわけないし。



「……せや」

「ん?」

「ええこと考えた。
お前が抜け出せへんなら、連れてきたらええねんな」





……は?




「ケンジローさん?」

「わかった、任せとき。多分いけるわ」

「貴族以外が城内になんて絶対に無理ですよ?
扉の前には兵士がいるし、通用口だって警備は万全で」

「大丈夫!俺天才やから!」



何故か自信満々のケンジローさん。


トラブルにならなきゃいいけど…

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花恋(プロフ) - 更新再開お待ちしてます! (2020年7月24日 2時) (レス) id: 2b0127518b (このIDを非表示/違反報告)
amiryu(プロフ) - NEEさん やっと隆二さんの登場ですね〜 これからの展開が楽しみです!! (2018年11月15日 17時) (レス) id: 536b1e31eb (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに(プロフ) - 新作待ってました!初めまして!ぷにぷにです!私は健ちゃん推しなので、早く健ちゃんに見つけて欲しいと願いながら読んでます!もぉ続きが楽しみです^ ^更新楽しみに待ってます! (2018年6月1日 8時) (レス) id: 60df6d6892 (このIDを非表示/違反報告)
ぐら(プロフ) - NEEさんのお話だいすきです (2018年2月9日 1時) (レス) id: 07d3f7974d (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - 新作、ありがとうございます!王子が2人。。。これからの展開が楽しみです(●´ω`●) (2018年1月30日 21時) (レス) id: 83b994670a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2018年1月28日 12時

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