Mr.PERFECT?

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昼休みになるとすぐ
私は足早に外のカフェへと向かっていた。

朝から悶々とした色んな想いを一旦封印して仕事に没頭した午前中。

何かから逃げるように
私は一人で社外へと出た。

何かってのはそりゃ

この社内には
私のモヤモヤの原因が二人いるのであって。



岩田くんとは初めてじゃない分
ある意味前よりは冷静に取り合えそうだけど

それよりも
私が逃げたかったのは隆二だ。


あれから隆二とはすれ違ったまま
連絡をしていない。

タイミングが合わなかっただけで
別にケンカしたわけでも気まずくもないはずなのに

あのイケメン恋愛マスターのせいで変な意識をしちゃってる隆二に
今は正直会いたくなくて

こういうとき、昼行こうぜってうちの部署にくるのが隆二の常だってことを逆手に取って

会う前に私は一人で外へ出た。




会う前に整理しなきゃ。
このモヤモヤの訳を自問自答すべきだ。




「サンドイッチのセット、アイスコーヒーで」


カフェで注文を終えて準備万端。

さて、考えましょうか。

いったい何にモヤモヤしてるのか。




岩田くんと一晩過ごしたことがばれたから？

…いや、そんなの今さらでしょ。前回は寧ろ自分から相談したことだし、隆二だってそれに対しては別に引きも怒りもしなかったし。



じゃあ、連絡がなかなか取れなかったから？

…いやいや。恋人じゃないんだから。
連絡がつかなかったから怒るとか
そもそも私の一番嫌いなタイプの束縛女。
これはあり得ない。




そうじゃないでしょ、A。

いつもと違ったことがひとつあったじゃない。

長い付き合いの親友の、存在は知っていたけれど会うのは初めての、彼女。


彼女がキレイだったから？
彼女と隆二が絵になるくらいにお似合いだったから？


そんなの、私には関係ないじゃん。
彼女いるのは知ってたし驚くことでもない。

ただ




彼女といる隆二が
いつもの隆二じゃなく見えたのが
何だか、嫌だったんだ。



「嫌だったって…だから何で…」

その理由にたどり着けない私の視界に
影が落ちる。



「あれ？誰かと思えば、おねーさん！」


聞き覚えのある声。
私の目の前にいつの間にか立つ人物を見上げれば


出たよ、ある意味私のモヤモヤを増長させた
バーで出会ったあの男。




「もしかしてまた悩んでんの？
えっと、同僚のことが好きとか何とか」

「好きじゃない！」



睨む私に、ははっと笑ったイケメンは
「ここ、いいでしょ？」と私の目の前に座った。

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