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事件はあの夜に遡る。


気付いたら私はホテルに居て
シャワーを浴びていた。

自分でも驚くほどに
そこまでの記憶が全くない。


そういう展開のドラマを見ながら、こんなの現実じゃありえないなんていつも思っていたのに

まさか自分がそうなるなんて、青天の霹靂だ。







「お、お待たせ…」


シャワー室を出ると
彼はいた。

間違いなく、岩田剛典。
私と同じ部署の後輩。




「おかえりなさい。
俺もシャワー行きます」



彼は笑顔でそう言って
私の横をすり抜け、シャワー室へと入っていった。




待って、待って。

思い出せ、私。

頭を抱え思い出そうとするけど
ここに来るまで経緯が思い出せない。



ここのホテルは知ってる。
でも、駅から離れてる。
歩いてこれる距離ではない。











「Aさんですよ、ここに連れてきてくれたの」


シャワーから戻ってきた岩田くんにそう聞いて
私はまたパニックになった。



「えぇ!?本当に?」

「はい。
俺もAさんも電車なくなっちゃって
いいとこ知ってるから行こうってここに」





……マジか。

最低だ、私。





ベッドに寝転ぶ私の横に
やってくる岩田くん。


近い。

すぐ傍にいるシャワー後の若い男
それもイケメンに

思わずドキドキする。


そして、まだ体に残ってる酒が
私の駄目な癖を増幅させる。







「……する?」

「……します?」

「大丈夫?気まずくない?
わ、私は全然大丈夫だけど!!」




本当、酔ってるときは何を言い出すかわかったもんじゃないよ、私。



とりあえず
同じ職場ということを第一に考えた
今思えば馬鹿みたいな私の質問に


岩田くんはあの端正な顔で
あはは、と笑った。






「大丈夫です、俺は。…光栄です」





その言葉から

確か、どちらからともなくキスをして


それで





気付いたら、朝で。





あまりの気まずさに
そそくさと部屋を出てしまった。


甘いことばも
余韻もなく


素っ気ないくらいの会話をして
私はさっさと帰ってきてしまった。




結局、それきり。


岩田くんがどう思っているかとか全くわからぬままに
日常が始まり


そして彼が出張から帰る今日が

あれ以来初めて顔を合わせる日だ。





話さなきゃ。





あれは一夜の過ちで

お互いに忘れようと。





一度寝たくらいで
私は何の勘違いもしないから安心してと



そう、彼に言って
もとの先輩と後輩に戻らなければ。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 今市隆二 , 岩田剛典、NAOTO   
作品ジャンル:恋愛
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6ra6(プロフ) - この、お互いの腹の内を推測しながら進んでいく雰囲気がなんとも言えずもどかしい!NEEさん節炸裂してますね(*≧∀≦*)この感じ、大好きです♪引き続き更新楽しみにしています! (2018年2月14日 13時) (レス) id: d8c1da8865 (このIDを非表示/違反報告)
kt03(プロフ) - 直人さんとどうなるのかな?続きが気になります(^^)更新楽しみにしています♪ (2018年1月28日 15時) (レス) id: 4cf55a882c (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - もう皆の気持ちが主人公の方に向いてますね!一体誰とくっつくのか?今から楽しみです(^-^)/ (2017年12月2日 12時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - NEEさんおはようございます(^-^)/更新ありがとうございます♪隆二さん切ないですね、やっぱり好きだったんだ!元カレと友達と後輩、一体誰とくっ付けんだろー(気になります) (2017年11月20日 10時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - NEEさん更新ありがとうございますm(_ _)m岩ちゃん何処連れてっちゃうんだろう?続きが気になるNEEさーん(^o^)/ (2017年11月14日 0時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2017年6月4日 22時

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