片岡直人【年上・元カレ】 ページ6
「あ……」
トイレを出たところの廊下。
油断していた。
そこにいたのは、直人さんだった。
「A、久しぶり」
「お、お久しぶり…です」
何故だか妙に緊張する。
元カレと二人きりだから?
それともさっきまでろくに視線も合わせないように意識していたから?
ドキドキする私とは裏腹、
直人さんは昔と変わらない様子で、私に話しかけてくれる。
「まさかこんなところで会うなんてなー」
「それはこっちのセリフですよ!」
「転勤祝いに合コンって、無理矢理呼ばれてさ」
「転勤、祝い?」
ドクンと、心臓がはねた。
「
「そ、そうなんですか…」
「ん。…お前は?合コンに彼氏探しにきたの?」
にこっと笑って、直人さんが言う。
慌てて私は横に首を振る。
「違います、友達に連れてこられて」
「そう?Aの前に座ってる岩ちゃんとかめっちゃいいやつだよ!イケメンだし頭いいし」
笑顔で他の男を薦めてくる直人さんに
私は心を痛めた。
平気なんだ、私が他の人とうまくいっても。
直人さんの中では私は"昔の"彼女なんだ。
途端に、まだ少しだけ直人さんにときめく自分に恥ずかしくなると共に
心は深く沈んでいく思いがする。
私だけが、過去に囚われて身動き出来ないでいるんだ。
「あー、でも」
「…はい?」
「………だね」
「え?」
隣の個室からイッキコールが聞こえて
直人さんの声がかき消され、聞こえない。
何度か聞き返す私に、直人さんが私の耳元へと顔を近づけた。
ドキリと、また私の心臓がはねる。
「わざわざ言い直すことじゃないんだけど…
岩ちゃんイケメンだけどお前には合わないと思うって言った」
「へ……?」
「だってさ
Aは年上が好きって言ってたもんな?
こーやって撫で撫でしてーって、昔からよく甘えてきただろ?」
よしよし、と直人さんが私の頭を撫でる。
…待って。
ちょっと、待って。
どうしてこんなこと
平然とやってしまえるの?
私なんてさっきから意識しまくって
ろくに話すことも出来ていないのに。
戸惑いながらもドキドキして
でも悲しくてたまらないのは
こんな風に私に思わせ振りなことをする直人さんに
特別な意味なんてないことを
私はわかってしまったからだ。
ずるいよ、そんなに余裕な顔して。
私なんてさっきからドキドキが
止まらないのに。
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1980no(プロフ) - 隆二さんがペットなんて……溺愛しちゃいそう( *´艸`)♪ (2018年3月3日 13時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - NEEさん♪こんばんは(^-^)/Twitterでお知らせ見て読みに来ました!臣さん甘〜い( *´艸)こんな素敵な彼氏と年越し出来るなんて…羨ましいです♪今年もあと僅かになりましたが来年もNEEさんにとって素敵な年になります様に(*-ω人)よいお年を♪ (2017年12月31日 22時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
amiryu(プロフ) - あと少しで今年も終わります!我が家も冬にはこたつなんですよ 臣くんなら一緒に暖まりたいなあ〜 (^^) NEEさん、一年お疲れさまでした!まだまだ来年もファンでいさせて下さい!よいお年を! (2017年12月31日 22時) (レス) id: 9c7c428eca (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - これは落ちちゃいますね……沼のようにどっぷりと_| ̄|○ (2017年12月2日 12時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - 直人のBDに更新。。(*´ー`*人*´ー`*)♪ありがとうございます!! (2017年8月30日 17時) (レス) id: 83b994670a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NEE | 作成日時:2017年4月9日 22時