NEE ROOM【JSB】

FriendZone２【N】 ページ26

何だよ、その反応。
せっかく一世一代の告白したっていうのに。

結構緊張したんだからな、Aの馬鹿。




ずっと何でも話せる友達だった。

仕事のことも恋愛のことも

似てるのに違う視点でものを言えるAを
俺は頼りになる一番の女友達と思っていたし
多分Aもそう思っていたと思う。



だけどさ

やっぱり男女の友情なんて成立しないんだよ。



友達としての好きが
人間としての好きになり

そして、女として意識し始めるのは
至極当然なことだと俺は思う。


それだけAは人間としても女の子としても
俺にとっては魅力的で

それでもこの関係を続けることをAが望んでいることはわかっていたから

だから俺は"女の子として好き"だなんてこと
言ったことはなかった。



だけどさ


どう考えてもAを幸せに出来なさそうな男が彼氏で
そして、そんな男を好きだなんて

俺はとうとう、我慢出来なくなってしまったんだ。






何でそいつなわけ？

俺だったら絶対泣かせたりしないのに。





でも

Aはそれを望んではいなかった。


俺の告白に驚き、戸惑い
そして、誤魔化した。


混乱させた？

ひとの気持ちが考えられないはずのないお前が
動揺してあんな風になかったことにしようとしてしまうくらい。




ごめんな。

ただの俺の独りよがり。



だけど、自己満足でも

俺はAの逃げ道が俺でありたいと
そう思ったことは本音なんだ。



脈なんてないと思い知らされたかのようなAの反応を見て
例え胸が痛くとも

やっぱり俺は
Aには心から笑っていてほしいと思うんだよ。





「直人……あ、あのね」


俺の顔色を見たのか
困った顔のAが言葉を選びながら何かを言おうとする。



少し頭の整理出来て、気付いた？

俺のこの告白が本気で
芝居なんてもちろんAに合わせた嘘だってこと。




でも、もう遅いよ。

その困った顔見たらさすがの俺もわかる。

そう簡単に折り合いのつく気持ちでもないよな
俺が暴走したのが悪い。


だから

俺が傷付かないためのフォローなんかさせてやらない。





「さて、と。
そろそろイケテるバーで告白ゴッコは終わって帰るか！」

「…え」

「お芝居だって！
ま、その彼氏と別れることはオススメするけどさ
Aの納得行くようにしないとな！」


「直…」

「はい、撤収。……行くよ」




告白なんてなかったことにするから
俺といるときくらいは、笑っててよ、A？

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