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episode1 近衛兵【O】 ページ20

「あなたは…!」


「こんなとこで何してんですか、王女サマ?」



声の主はそう言って
ニヤリと笑い私を見上げた。



「馬乗ってここまで来たんですか?……すげー王女」


不躾な物言いをしたその男は
そう言って私の愛馬を撫でた。




「っ、関係ないでしょ!
そっちこそ、ここにはあなたが目当てのものはないと思うけど何してるの?」


「関係なくないですよ。
うちのお転婆王女サマが城からいなくなって捜索してるんですから」




お転婆王女サマ。
どこまでも意地悪な言い方をするこの男は
近衛隊の兵の一人、オミ。


容姿端麗で馬の扱いと武術に長けた男で
馬と同様女性の扱いも巧いものだから
とにかく歳にかかわらず女性からの人気が高い。



その反面王女の私には意地悪で子供扱いで
勿論仕事では信頼できるのだけれど

私は少しだけオミのことが苦手だ。



「別に、心配無用よ。お城の敷地から出たわけじゃないんだから。
だから、オミは帰って」



と、そのとき。




視界がぐらりと揺らいだ。

古くなった塔の窓、手をかけていた縁の部分が
突然崩れ、私の身体は前のめりになる。





「きゃ……っ」



「王女!!」




バランスを崩したまま、私は身体を保てず



……落ちる!


そう思ったとき




「……っぶねぇ!!」




痛くない。


気づいたら目の前にあったのは
近衛隊が胸に付ける紋章。


落ちた私を抱き止めたのは、オミだった。




「!オミ、大丈夫!?」

「…王女、もう少し痩せられた方が」

「失礼ね!」


心配したのに。
少し申し訳ないって思ったのに。

また意地悪を言うオミを不満げに睨むと
オミはクスクスと笑った。



「冗談です。それに俺はもう少し肉付きの良い女性が好みですから」

「!!オミのスケベ!」


また子供扱いして!
最低!と拗ねる私を見て、オミはまたクスッと笑うと
私を真っ直ぐに見つめて言った。



「失礼。
ご無事でなによりでした、我が姫君」




そうやってちゃんとしてたら
ちょっとかっこいいところがまた、ムカつく。

episode2 謎の男【R】→←ある王国の話



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1980no(プロフ) - 隆二さんがペットなんて……溺愛しちゃいそう( *´艸`)♪ (2018年3月3日 13時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - NEEさん♪こんばんは(^-^)/Twitterでお知らせ見て読みに来ました!臣さん甘〜い( *´艸)こんな素敵な彼氏と年越し出来るなんて…羨ましいです♪今年もあと僅かになりましたが来年もNEEさんにとって素敵な年になります様に(*-ω人)よいお年を♪ (2017年12月31日 22時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
amiryu(プロフ) - あと少しで今年も終わります!我が家も冬にはこたつなんですよ 臣くんなら一緒に暖まりたいなあ〜 (^^) NEEさん、一年お疲れさまでした!まだまだ来年もファンでいさせて下さい!よいお年を! (2017年12月31日 22時) (レス) id: 9c7c428eca (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - これは落ちちゃいますね……沼のようにどっぷりと_| ̄|○ (2017年12月2日 12時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - 直人のBDに更新。。(*´ー`*人*´ー`*)♪ありがとうございます!! (2017年8月30日 17時) (レス) id: 83b994670a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2017年4月9日 22時

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