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ある王国の話 ページ19

この国に昔から伝わるおとぎ話。


森の奥深くに佇む美しい塔
その塔で出会った相手は運命の相手だけれど
その恋は必ず悲恋に終わる。

この王国の第一王女である私が
幼い頃に噂好きのメイドから聞いたお話で
私はこのお話が好きだった。


私の暮らすお城からその塔は見えていて
だけど子供の足で到底いけるものではないし
お話はお話に過ぎないと、確かめに行こうとしたことはなかった。



だけど、ある時

その日は国王であるお父様とひどく言い争いをして
むしゃくしゃしていた。

外に出てはいけないと言うお父様に
納得がいかず、口論になり
私は外へと飛び出した。


はしたないからよしなさいと常々言われていた乗馬が
まさかこんなときに役に立つなんて。


売り言葉に買い言葉。

出ていってやると外へ出て
愛馬に飛び乗ると

私はいつの間にか森の奥深くへと来てしまい
目の前には

昔から見ていた塔があった。


近くで見るのは初めて。


だれも寄り付かないその塔は
想像よりも朽ちていて少しだけ不気味。

だけど
私は吸い寄せられるようにその中へと足を進めた。



足を乗せる場所を選ぶような
古ぼけた階段を上ると

現れたのは大きな窓。



もちろんガラスもなにもない窓の外をそっと覗いてみる。


周りの木々より少し高いその窓からは
この国がいつもと違う角度から見渡せた。


森、宮殿、庭を越えて
遥か向こうには私の国の国民が暮らし

そして更に向こうにはまた、私が見たことのない他所の国がある。



それにしても
かなり高い塔みたい。

後ろを振り返れば、まだ上へと階段が続いている。




高さを見てみようと
今度は窓から真下を覗き込んでみた。



と、そのとき

塔の前の愛馬が、ヒヒンと鼻をならし
その傍から
微かに聞こえた声のもとに私は目を凝らした。



そして私の瞳が捉えたひと。


そのとき、私はおとぎ話を思い出した。








『その塔のにて出会えし男女は必ず恋に落ち
そしてその恋は悲恋で終わるだろう』

episode1 近衛兵【O】→←登坂広臣【同い年・幼馴染】



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1980no(プロフ) - 隆二さんがペットなんて……溺愛しちゃいそう( *´艸`)♪ (2018年3月3日 13時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - NEEさん♪こんばんは(^-^)/Twitterでお知らせ見て読みに来ました!臣さん甘〜い( *´艸)こんな素敵な彼氏と年越し出来るなんて…羨ましいです♪今年もあと僅かになりましたが来年もNEEさんにとって素敵な年になります様に(*-ω人)よいお年を♪ (2017年12月31日 22時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
amiryu(プロフ) - あと少しで今年も終わります!我が家も冬にはこたつなんですよ 臣くんなら一緒に暖まりたいなあ〜 (^^) NEEさん、一年お疲れさまでした!まだまだ来年もファンでいさせて下さい!よいお年を! (2017年12月31日 22時) (レス) id: 9c7c428eca (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - これは落ちちゃいますね……沼のようにどっぷりと_| ̄|○ (2017年12月2日 12時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちこ(プロフ) - 直人のBDに更新。。(*´ー`*人*´ー`*)♪ありがとうございます!! (2017年8月30日 17時) (レス) id: 83b994670a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2017年4月9日 22時

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