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ふらふらなのは、一気に飲んだカクテルのせいだけではないと思う。
チェックを済ませたあと
私に気づいたあのいつものバーテンが声を掛けてくれたけれど
私は挨拶もそこそこに店から出た。
今市は多分、最後まで私がいたことに気づいてはいない。
もう良い。
見せつけたわけでもなく
私の知らないところで
あんな風に他の女と親しげにしていて
只でさえ何を考えているかわからない今市の
ほんの一部分しか見えていなかったのだと
私は思い知らされたのだ。
「…馬鹿みたい」
"恋愛"という科目について
私はひどく劣等生だ。
男を見る目がなくて
正しいものを自ら失って
間違った方向へ進んでも気付きもせず
気付いたときにはもう身も心もぼろぼろになっている。
瞳が潤む。
泣いたら惨めになってしまう。
だけど私はひとりぼっちなのだ。
でもそれはせっかく傍で手を差し伸べてくれた人に背を向けた自業自得で
「…先輩！！」
顔を上げた。
向こうから走ってきたのは
今日出張に行っていたはずの
「…登坂」
…逃げなきゃ。
こんな惨めな姿、見られたくない。
「あ、ちょっと！」
足早に踵を返す私に
背中から少し慌てた声がする。
年下の登坂に
これ以上弱った姿を見せられない。
「ちょ、先輩！！」
雑踏に入り込めば逃げ切れる。
登坂の声が、人混みにかき消される。
もういいだろうか。
アルコールで頭が回る。
そのとき
ふらふらと路地裏へ向かう私を
強く引き寄せたのは
「…俺の足舐めてたでしょ。
サッカーやってたんすよ、俺」
「登坂…」
「ほら、ふらふらじゃん。
大丈夫になるまで俺に抱きついててよ、先輩」
足元のふらつく私を
支えるというよりは抱き抱えるようにした登坂。
「…今なら、顔もみえねーし」
…ああ、気づいてたんだ。
泣いてる私にも
それを知られたくない強がりも。
「身体冷えてるし。
お酒飲んで走って汗かいて…身体冷やしたらまずいでしょ」
ぎゅうと、抱きしめる腕に力がこもる。
登坂の胸は広く温かい。
ここで登坂に甘えてしまうのは
"恋愛"の科目として正解なのかどうか
恋愛偏差値の低い私には
それもわからないけど
「登坂、ごめん。…ありがと」
その言葉に
「いいって」と返事した登坂の声が妙に嬉しそうだったから
私はそのまま彼の胸に顔を埋めた。
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えりんぎ - 直人さんがすてきすぎました… (2017年4月8日 18時) (
レス) id: 834d4529af (このIDを非表示/違反報告)
ゆーりん(プロフ) - はじめまして！二日間でここまで読破しました！どうしても直人さんが良いなって心の中でウズウズ。。。楽しみにして、4を読ませて頂きます！！ (2017年2月9日 11時) (レス) id: 623fea7ce6 (このIDを非表示/違反報告)
love(プロフ) - 真相も気になりますが、やっぱり...隆二さんと結ばれてほしいです（ ; ; ） 続き楽しみにしています！ (2017年2月5日 15時) (レス) id: e0f37f36d6 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 直人さんがいいなぁ、、なんて思っちゃってます（笑）直人さんの安心感が半端ない！！！！作者さんも更新頑張ってください！ (2017年2月5日 11時) (レス) id: effbf41489 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ぎゃああああトサカ登坂とさかぁ（ ｉ _ ｉ ）隆二ほんとに頑張って、、、(( (2017年2月4日 22時) (レス) id: fc11a717f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年11月22日 23時
