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これで三度目。
まだ震えている携帯を握りしめて
私はそっと浴室から出る。
静かな室内に目をやれば
直人さんはもう眠っている様子で
洗面所へともどると
私はそっとドアを閉めた。
そして。
受信のボタンに、触れる。
ドキドキする心を落ち着かせながら
携帯を耳に当てると
しばらくして、聞こえる声。
『…もしもし、Aさん？』
あぁ。
たったこの一言だけで
久しぶりの今市に心臓が跳ねる。
嬉しいと思う、自分がいる。
「…はい」
喜びを出さないように返事をすれば
少しだけそっけなくなる。
だけどそこを取り繕う余裕もないし
自然と可愛らしく返答出来るようなキャラクターでもない。
『今、出張？』
「…登坂情報？」
『うん、昨日、聞いて』
何が話したいのだろう。
雑談するような関係じゃないし
だけど相変わらず考えていることの読めない今市の
話題展開など尚更、わからない。
だから、次の言葉も想像なんか出来なくて。
『会いたい』
「……え」
『会いたいな、Aさんに』
囁くような声が
ダイレクトに私の耳に届く。
ゾクゾクと身体の芯から沸き上がってくるような気持ちは
多分喜びだ。
いつだって私をからかうようなことばかりで
今市の本心などわからないままで
だけど
何度も着信があった理由は、これ…？
『Aさんは？』
いつもより少しだけ優しい声が私に問い掛ける。
『俺に会いたい？』
恋人なんかじゃない。
好きだと言われたこともない。
いつだって飄々として
注がれる甘い言葉も表面だけのものだと思ってた。
今だって真実はわからない、けれど。
「……今市が、会いたいなら、会ってもいいけど」
ドキドキする気持ちを誤魔化すように
わざと可愛くない言い方をする。
本気で私も会いたい、なんて言って
冗談だと言われたら立ち直れない。
そんな私に
はは、と電話の向こうから聞こえる笑う声。
それすらもセクシーで私の心はドキドキを加速させる。
『俺は会いたいよ？言ったでしょさっき』
「…うん」
『明日、こっちに何時に戻る？』
明日は午前中に少しだけ会議があるが
そのあとは直帰の予定。
夕方には遅くとも戻れるはず。
「夕方には」
『わかった。じゃあまた、明日』
切れた電話を握りしめたまま
私は暫くそこから動けなかった。
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えりんぎ - 直人さんがすてきすぎました… (2017年4月8日 18時) (
レス) id: 834d4529af (このIDを非表示/違反報告)
ゆーりん(プロフ) - はじめまして！二日間でここまで読破しました！どうしても直人さんが良いなって心の中でウズウズ。。。楽しみにして、4を読ませて頂きます！！ (2017年2月9日 11時) (レス) id: 623fea7ce6 (このIDを非表示/違反報告)
love(プロフ) - 真相も気になりますが、やっぱり...隆二さんと結ばれてほしいです（ ; ; ） 続き楽しみにしています！ (2017年2月5日 15時) (レス) id: e0f37f36d6 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 直人さんがいいなぁ、、なんて思っちゃってます（笑）直人さんの安心感が半端ない！！！！作者さんも更新頑張ってください！ (2017年2月5日 11時) (レス) id: effbf41489 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ぎゃああああトサカ登坂とさかぁ（ ｉ _ ｉ ）隆二ほんとに頑張って、、、(( (2017年2月4日 22時) (レス) id: fc11a717f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年11月22日 23時
