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「ごめん、お待たせ」
戻ってきた直人さんの声で
私は携帯のケースの蓋を閉じた。
「…いえ、大丈夫でしたか？課長」
「いや、もうベロベロ。酔っぱらい」
隣の椅子に腰掛ける直人さんを横目に
私は心を整えた。
一瞬、確認した画面。
着信の知らせの主は
今市。
これで彼からの電話には二度、出ていない。
こんなことは初めてだ。
彼と出会ってまだ決して長くないこの期間のうちに
私が折り返さないことはなかったから。
動揺と、それから僅かな喜びがある。
翻弄されてばかりだと思っていた相手の
少なくとも頭の片隅くらいには
私という存在があると、いうことだから。
だけど、これでいい。
これくらいの関係性じゃないと
また私の精神は乱されてしまうだろうから。
「相部屋、でしたよね！
酔っぱらってたら直人さん大変ですね」
「あー、うん、それなんだけど」
言葉を濁す直人さん。
どうしたのだろう？
「…なにかありました？」
「いや、…なんでもないよ」
なんでもない、って表情でもないけど。
訝しがる私の手元では
また携帯が震えて
瞬間、ドキリとする。
また、電話の主は今市かもしれない。
恐る恐る見る携帯の画面には
予想に反して見知らぬ番号が映っていた。
「え、その番号って」
「ちょっとすみません、仕事関係かも…もしもし？」
立ち上がり、携帯を耳に外へ出ようとする私の耳には
聞きなれないへべれけな声が届いた。
『麻倉さぁ〜ん！？飲んでる？？』
「……課長？」
多分、声からして直人さんの課の課長。
そういえば、うちの課長がもしものときのために
私の番号、知らせておくからって言ってたっけ。
「A！？それ課長なら切っていいから！」
席から直人さんが叫んでるけど
切るわけにもいかないでしょ、さすがに。
「はい」
『僕はもう寝ますのでぇ〜片岡、よろしくね！』
相変わらず高いテンションでおっしゃる酔いどれの課長。
…よろしく、とは？
『部屋、鍵かけちゃうからさ〜！もう入れないから！
片岡部屋に泊めてあげて！』
「は？…え、あの、ちょっと」
『よろしく！おやすみ！』
一方的に切られた電話。
相部屋の課長と直人さん。
その部屋にはもう直人さんは入れないってこと！？
向こうの直人さんを見れば
苦笑いで申し訳なさそうにこっちを見ていて。
もしかして、私たち
課長にはめられたの？！
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えりんぎ - 直人さんがすてきすぎました… (2017年4月8日 18時) (
レス) id: 834d4529af (このIDを非表示/違反報告)
ゆーりん(プロフ) - はじめまして！二日間でここまで読破しました！どうしても直人さんが良いなって心の中でウズウズ。。。楽しみにして、4を読ませて頂きます！！ (2017年2月9日 11時) (レス) id: 623fea7ce6 (このIDを非表示/違反報告)
love(プロフ) - 真相も気になりますが、やっぱり...隆二さんと結ばれてほしいです（ ; ; ） 続き楽しみにしています！ (2017年2月5日 15時) (レス) id: e0f37f36d6 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 直人さんがいいなぁ、、なんて思っちゃってます（笑）直人さんの安心感が半端ない！！！！作者さんも更新頑張ってください！ (2017年2月5日 11時) (レス) id: effbf41489 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ぎゃああああトサカ登坂とさかぁ（ ｉ _ ｉ ）隆二ほんとに頑張って、、、(( (2017年2月4日 22時) (レス) id: fc11a717f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年11月22日 23時
