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あがっていって、と言ったのは私。
自分に好意を抱く男を家にあげれば
こうなることは容易に予想がついたはずだった。
後ろから抱きしめる登坂の腕はまだ私を離さない。
「まだ、好き？」
「…え」
「片岡さんのこと」
耳元で登坂が呟くように聞いた質問。
好きかといえばノーとは言えないけど
"仮彼氏"だったという事実を知らない登坂には
何と返答すべきかわからない。
「…後悔は、してる。
いまこんな風に直人さんと気まずくなりたくはなかった」
ずっと先輩後輩でいられればよかった。
恋人の関係が"仮"だったとしても
それが恋愛かどうかはわからなくとも
あんな別れかたを割りきれはしない。
「ずるいな」
フッと登坂が自嘲的に笑う。
その意図を汲み取れず少し肩で反応しただけの私の首筋に顔を埋めるようにして
登坂は抱き締める腕に力をこめた。
「"まだ好き"って言ってくれなきゃ
俺期待しちゃうよ？」
ちゅ、と音がして
登坂がひとつ、私の肩に口付ける。
「…他にいる？」
「え…」
「片岡さんの他に、気になる人とか」
心臓が
速くなるのがわかった。
もう思い出してはいけない
あの男はもう相手がいるし
そしてこの登坂との友人で。
無言の私を登坂は一瞬離すと
向かい合わせになるよう身体の向きを変えた。
私の後ろにはキッチンの調理台。
そして目の前には、登坂。
「いるの？」
「っ…ちょ、とさ…っ」
耳に触れそうな距離で登坂が囁き
かかる吐息に反応してしまう。
可愛い、と小さく呟いた登坂は
私の頭をホールドするとまた
悪戯に私の耳元で話しかけてくる。
「いるんだ？好きな人」
「…っ、別に…」
「まぁ、いいけど。いても、関係ねぇし」
登坂は知らない。
私と今市の関係を。
だけど言えるわけもないし
もう終わらせるべきことだから。
口をつぐんだ私の耳に登坂の唇が触れ
小さく見せた私の反応に少し口角を上げて笑った登坂は
そのままゆっくり唇を首筋から鎖骨へと下ろしていく。
このまま、してしまうの？私？
今市への気持ちを引き裂かれて
直人さんを裏切った夜に
私は
私を好きな男の優しさと激しさに負けて
慰めを受け入れてしまうの？
机の上で電話が鳴っていたのは気づいていたけど
それが、誰でも、どうでもよかった。
ズルい私は目の前の温もりを振り払わず
そのまま目を閉じた。
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えりんぎ - 直人さんがすてきすぎました… (2017年4月8日 18時) (
レス) id: 834d4529af (このIDを非表示/違反報告)
ゆーりん(プロフ) - はじめまして！二日間でここまで読破しました！どうしても直人さんが良いなって心の中でウズウズ。。。楽しみにして、4を読ませて頂きます！！ (2017年2月9日 11時) (レス) id: 623fea7ce6 (このIDを非表示/違反報告)
love(プロフ) - 真相も気になりますが、やっぱり...隆二さんと結ばれてほしいです（ ; ; ） 続き楽しみにしています！ (2017年2月5日 15時) (レス) id: e0f37f36d6 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 直人さんがいいなぁ、、なんて思っちゃってます（笑）直人さんの安心感が半端ない！！！！作者さんも更新頑張ってください！ (2017年2月5日 11時) (レス) id: effbf41489 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ぎゃああああトサカ登坂とさかぁ（ ｉ _ ｉ ）隆二ほんとに頑張って、、、(( (2017年2月4日 22時) (レス) id: fc11a717f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年11月22日 23時
