43―今市 ページ43
荒んじゃってるなぁ。
本当は傷つきやすくて弱い心を隠すみたいに
強がって
傷つくまえに自分を守ろうとして。
あんな力業の誘惑、初めてだよ。
男らしくて逆に惚れそうだな。
別に、身体を求めている訳じゃない。
そういう意味では特に不自由はしていないし
身体だけの関係の相手ならすぐに見つかる。
だから
永年あなたの身体を目当てにしてきた不倫相手と
同等に思われるのは心外で
あなたには今日は意地でも手を出さないと誓った。
どうしてあなたにここまでこだわるのか
俺だって答えはわかんないよ。
だけど、特別な気持ちって理屈じゃない。
綺麗でかっこ良くて不倫なんて嗜みで
粋に生きようと強がるあなたの本心は
本当は全然違ってて
絶対に弱音を吐くもんかと足掻いて
弱いあなたが無理をしているんじゃないかって
俺の目にはそう、映ったから。
なんて、
これは全部俺の独断と偏見に基づいた妄想で
それを確かめようと
何となく興味本意で近づいたんだけど。
あまり感情を出さないあなたが
普段の顔を少し崩して
泣いたり
驚いたり
狼狽えたり
それを見るたびに
あぁもっと色んな顔が見たいな、なんて
そう思ってしまったから。
まぁ、あれだよ。
平たく言うとさ
「気になってんだよね…」
彼女を帰したあと
バーのカウンターで呟く俺に
カウンター越しに立つバーテンは
その強面を少し緩ませる。
「珍しいな、隆二。
終電で帰すなんて」
「いやー…何かそういうんじゃないんですよね、あの人」
グラスの氷を指で回しながら
呟くように言う。
じゃあどういうのなんだろ。
それが断言できるほどには
俺は彼女のことを知らない。
「好き…まではいかない。
…気になる？興味ある？…うーん」
「ははは、らしくないな。
いつも直感の隆二が、考えこむなんて」
直感、には、違いないけど。
多分俺、この気持ちに意味をもたせたいんだ。
流されるがままの男女関係じゃなくて
もっと違う…
「隆二」
「ん？」
「人はそれを"恋の始まり"という」
そんなバーテンの言葉に
俺は思わず笑ったけど
予感しなくもない。
多分、だけど
俺
あなたのこと
これから先今以上に
特別な感情を持つようになる。
そう、思うんだ。
だからもう少し形だけでいいから
"俺のモノ"でいてよ、Aさん？
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
