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帰ると言った私をひき止めなかった今市。
ここへ呼んだのは私への嫌がらせ？
…いや、違う。
多分、見せしめだ。
主導権は自分にあるのだと
脅しは冗談ではないと
あの一見ニコニコした無邪気な笑顔の裏で
私へ解らせるためにやったことだ。
友人である登坂にもわからぬよう
だけどいつでもばらすことだって出来るという脅しを込めて。
どうして、なんて考える方が無駄だ。
あの手の人間の思考回路は到底想像出来るものでもないし
ただ遊ばれてるだけに決まってる。
そんなことを考えながらつく帰路では
本当に様々なことが頭をよぎる。
今市のこと
秘密のこと
それから、登坂のこと。
俺じゃだめかと聞いた登坂の目は真剣で
冗談とは思えなかった。
普段からやたらちょっかいをかけてきていたけど
まさか本気とは思っていなかったし
そういう目で見たこともなかった。
まぁ今日だって
たまたま気の迷いかもしれないけど
でも
意外と広い胸、たくましい腕
有無を言わせない美しい顔
色っぽい香りの香水だった。
年下のくせに
私のこと"先輩"じゃなくて名前で呼んで
後輩じゃなくて、男、だった。
不覚にもドキドキした心に嘘はつけない。
だけど、どうしても最期に浮かぶのは
まるで全てを見透かしているかのような
今市の妖艶な笑みで。
と、そのとき。
「あ、ケータイ、鳴ってる」
鞄から取りだし、画面を確認した。
投げてやろうかと思うのを踏みとどまる。
画面には
終わったはずの、元不倫相手の名前。
「…もしもし」
『もしもし！！…やっと出てくれた！』
やっと？
あぁ、もしかして
何度も着信があったのかな？気付かなかったけど。
「何か御用ですか、常務」
『いやぁ、用って、そりゃ、昨日のこと、だけどさ』
また掘り返すのか。
終わったことなのに。
『…すまなかった！
あのコとは本当に今回だけなんだよ！
愛しているのはきみだけだ！』
…あんな暴言を吐いておいて、今更なに？
『昨日はつい、焦って心にもないことを…
きみの浮気も許すから、もう一度やり直そう？』
許す？
何で私が許される側なわけ？
どうして私と、既婚者であるあなたが
同じフィールドにいると思ってるの？
あきれた。
やっぱり終わりだ。
「もう無理です。さようなら」
『えっ…いや、ちょっ』
…もう二度と、声も聞きたくはない。
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NEE(プロフ) - みほこさん» ありがとうございます！ビューネくんもそろそろ終わるはずなので！パート2ともどもお楽しみくださいませ(*^^*) (2016年9月8日 23時) (
レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - MYさん» ありがとうございます！大人な直人さんに切なくなりつつきゅんしちゃってください(*^^*) (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - サクラさん» ありがとうございますー！隆二メインですが直人さんにもきゅんきゅんしていただけて嬉しいです(*^^*)やはり直人さんは大人キャラが似合いますー！ (2016年9月8日 23時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
みほこ(プロフ) - いつも楽しませていただいてます♪ビューネくんも大好きです♪つづき楽しみにお待ちしていますm(__)m (2016年9月7日 22時) (レス) id: 6b3f9fe695 (このIDを非表示/違反報告)
MY(プロフ) - 直人さん泣きそうかっこいいです (2016年9月7日 19時) (レス) id: ed4e215e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年7月31日 20時
