Eternal LOVE

26―登坂 ページ26

二人の間に何かある。





直感的にそう思ったのは
それだけ俺が今まで彼女を見てきた自負があるから。




俺だけじゃなくて

社内の男にはつれないAさん。



隣の部署の片岡さんと噂になったときですら
毒舌とも言える口調できっぱりとそれを払いのけて

こんな合コンにノリみたいに来るタイプじゃないのに。





隆二が彼女を誘ったことで

俺の予想は簡単に覆された。




何だよ

二人、知り合って間もないくせに
どういう関係なわけ？




マジ、おもしろくねぇ。




そう思えば
Aさんの方もイラついて見れなくて


ここに着いてからも
目の前の彼女に話しかけることすら出来なくて。




マジで何やってんの俺。

隣の席の女のコも綺麗だし
俺を見つめて話してくる姿とか可愛いと思うけど



俺が気になるのは
目の前で隣の岩ちゃんと話すAさんで。




あーーこんなむしゃくしゃするなら
いっそ駅の待ち合わせから俺が隣キープしとけば良かった！


きっかけが隆二と思ったら
何か、

何ていうか

ヤダとか思って




マジでヤキモチとかありえねぇんだけど




多分これは嫉妬で…。








そんなモヤモヤがたまったとき、席をたつ彼女。



思わず俺も立ち上がる。

怪訝そうに俺を見上げる隣の女のコ。




「どうしたの？」

「…ごめん、電話。仕事かも」





電話なんかかかってねぇし
休みに仕事もありえねぇよ




ただ



Aさんが戻ってくる前に
二人になりたかった。





俺の知らない女の姿を
俺より先に他の男に見せないでよ？



ずっと隣であなたのこと見てきて
ずっと好きだったのに



隆二も岩ちゃんも
俺、ヤダから。











「登坂、酔ってる？」



は？酔うわけねぇじゃん。



てかそろそろ気づけよ。



あなたがいつもあっさりかわしていた
俺の気持ちが

結構本気だってことにさ。







「…A」

「…っ」




彼女の顔から
いつもの気の強い表情が消える。



何だよ

すげぇ可愛いんじゃん。






入ってしまったスイッチは簡単には切れなくて
俺は触れそうな距離まで顔を近づける。




「ひと、来てる、からっ」

「だから？…関係ねぇじゃん」





トイレに来る客がこちらをチラッと見て足早に通りすぎていく。

いいし。

もう別に見られたっていい。





今この場であなたを離すことの方が
俺、ヤダから。

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