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私が剛典さまに何かを求めることは許されない。
だけど
「はい、欲しいです、剛典さま」
これだけは唯一許された"おねだり"
「キス、してください」
「…何で？俺と紗都子がキスしてるの見て、悲しかった？」
「…はい」
改めて言葉にされると
キュウと胸が締め付けられるよう。
そんな私の様子を満足そうに見た剛典さま。
いつもならこれくらいで
私の"おねだり"は聞いてもらえるのだけれど
「Aは主人の"婚約者"にも嫉妬するんだ？」
「っ…」
「それって立場を逸脱してると思わない？」
「それは…」
「そんなに俺がスキ？」
「っ…申し訳、ありません…」
「ワルイ子だねー、Aは」
涙目になる私を
剛典さまは意地悪く見下ろす。
そんな視線もセクシーで
私はどんなに悲しくても
胸が痛くても
目を離せない。
そして
「ふ、やっぱり可愛いね、お前は」
今にも涙が溢れんとするそのときに
剛典さまはようやく瞳に優しさを宿し
私をぎゅっと抱き締めてくださった。
「…よしよし、今日は泣かずによく我慢したね。
もうちょっとで危なかったけど」
嘘みたいに優しい声。
優しい腕に優しい手が
悲しかった心を潤わせてくださる。
「紗都子は婚約者だけどそれだけ。
俺が愛してるのはAだけだよ？」
あまい言葉が胸にじんわりと広がる。
私はこの愛の言葉には
なんの意味もないことを知っている。
飼い主がペットを愛するのと同じように
いつだって従順な僕としての私を
剛典さまは愛してくださっているのであり
それが一人の女としてではないことも
それを求めてはいけないことも
よく、わかってる。
でもそれでいい。
何を言われても
どう扱われても
剛典さまのその言葉と
剛典さまのキスと
それから剛典さまに抱かれるだけで
必要とされているだけで
私は充分幸せに生きていけるのだから。
「あぁ、その泣き顔たまんないな。
ね、今日はその口で俺のこと満足させて？
上手に出来たら、ご褒美をあげる」
「はいっ…」
私は剛典さまの足元にひざまづく。
そんな私を剛典さまは
優しく撫でてくださる。
喜びを胸に
私はそっと
剛典さまに触れた。
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たかあや(プロフ) - 絶賛全部読み返し中です！同じ名前の曲が出ることに一人で興奮してます(笑)素敵な時間をありがとうございます！ (2018年2月6日 7時) (
レス) id: 9513f20f64 (このIDを非表示/違反報告)
okgs(プロフ) - とても切ない物語でドキドキしながら読ませてもらってます！すごく胸が締め付けられる思いになりました。その人の気持ちがわかりやすくかいてあり、その気持ちにたって読めるのでいいなと思います。更新楽しみにしてるんで、これからも頑張ってください！応援してます！ (2016年7月31日 3時) (レス) id: 6715d7612f (このIDを非表示/違反報告)
百合(プロフ) - ドキドキしながら読ませてもらってます！更新楽しみにしています、頑張って下さい！ (2016年6月30日 22時) (レス) id: 42cb9d35cf (このIDを非表示/違反報告)
*今市/登坂LOVE♪♪*(プロフ) - NEEさん» ハイローのツアーも行くんですか？？いいですね！羨ましいです！！ちなみにJKですか？ (2016年6月26日 21時) (レス) id: 92c067e04f (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - 3jsb-Yua∞kj8さん» ありがとうございます(*^^*)全部読んでいただいてるなんて嬉しいです！今回はきゅんきゅんよりも切なめですが、楽しんでもらえるようがんばります！ (2016年6月26日 21時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年6月3日 0時
