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私は剛典さまを敬愛している。
恋愛ではないけれど
愛している。
飼い犬が飼い主になつくように
子供が親を愛するように
身の程を弁えた範囲内で
私は全ての愛情を剛典さまに捧げていた。
あの方が私に触れること
声をかけてくださること
私の身体を愛してくださること
それが唯一の幸せで、
生きる目的であることを
私も
そして
剛典さまも知っている。
だから
ちょうど私のいる部屋から見えるバルコニー。
剛典さまと許嫁の紗都子さまが出てきて
剛典さまは私へ目配せをくださる。
小柄な紗都子さまは
高いバルコニーから下を見下ろすのは困難で
私の存在が気付かれることは
飛び下りたりしない限りはあり得ない。
剛典さまは
それを良くわかった上で
バルコニーに彼女を連れ出し
そして情熱的にキスをする。
下にいる私に、見せつけるように。
ニヤリと笑った剛典さまの顔で
私はからかわれているだけだとわかるし
私が嫉妬心を抱くことなど
お門違いなのは理解している、だけど。
剛典さまが生きる糧の私には
やはり平常心でいられるものではなく
恋愛ではないにせよ
愛する人が他のものを愛でる様を目の当たりにし
ただ
ただ見ているしかないというこの現状においては
やはり感情表現が鈍くなっている私でも
少し位は胸がいたむ。
ご主人様に出来た恋人を
咬んでしまう飼い犬の気分だ。
それを全てわかった上で
剛典さまは敢えてそれを私に見せつける。
そして必ず
その夜、紗都子さまが帰られた後は
私の部屋を訪れるの。
「A、入るよ」
「…っ、はい」
「イイコでお留守番してた？」
ここにいた私と
昼間バルコニーから目が合ったのに
敢えてそんなことを聞く剛典さま。
「はい…」
「嘘。…見てたでしょ、俺と紗都子のキス」
ニコニコしてそう言う今日の剛典さまは
多分、意地悪モード。
「はい…」
「じゃあ、今日はお預けかな」
わざと、そんなことを言って
私を翻弄しているのも知っている。
知っていても
私は剛典さまにお預けを食らうことは
辛くて
悲しくて堪らない。
「そんな…」
「じゃあ、おねだりしてよ」
「ください…」
「何を？どんな風に？」
「っ…」
「紗都子にしてたみたいに、してほしい？」
わざと、そんな風に私を煽る剛典さま
そんなお顔も美しい。
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たかあや(プロフ) - 絶賛全部読み返し中です！同じ名前の曲が出ることに一人で興奮してます(笑)素敵な時間をありがとうございます！ (2018年2月6日 7時) (
レス) id: 9513f20f64 (このIDを非表示/違反報告)
okgs(プロフ) - とても切ない物語でドキドキしながら読ませてもらってます！すごく胸が締め付けられる思いになりました。その人の気持ちがわかりやすくかいてあり、その気持ちにたって読めるのでいいなと思います。更新楽しみにしてるんで、これからも頑張ってください！応援してます！ (2016年7月31日 3時) (レス) id: 6715d7612f (このIDを非表示/違反報告)
百合(プロフ) - ドキドキしながら読ませてもらってます！更新楽しみにしています、頑張って下さい！ (2016年6月30日 22時) (レス) id: 42cb9d35cf (このIDを非表示/違反報告)
*今市/登坂LOVE♪♪*(プロフ) - NEEさん» ハイローのツアーも行くんですか？？いいですね！羨ましいです！！ちなみにJKですか？ (2016年6月26日 21時) (レス) id: 92c067e04f (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - 3jsb-Yua∞kj8さん» ありがとうございます(*^^*)全部読んでいただいてるなんて嬉しいです！今回はきゅんきゅんよりも切なめですが、楽しんでもらえるようがんばります！ (2016年6月26日 21時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年6月3日 0時
