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「剛典さま!おかえりなさいませ!」




今夜は遅いお帰りだった。


そして



珍しく

お酒に酔っている様子の剛典さま。







「Aー?」





部屋に入るなり私に抱きつく剛典さまからは
強いお酒の匂いがする。






「酔いざましに、シてよ、A?」





そうおっしゃる剛典さまの視線は色っぽい。






ドキドキしながら私はいつものように

剛典さまの言うとおりにしようとして




ふと、気付く。






いつも通りのようで

でも何だかいつも通りじゃない。





そんな違和感を覚えながらも
私は剛典さまに近付き


そして命じられた通り
剛典さまをお慰めしようとそっと首筋にキスをすると








ははっ…と嘲笑のような笑い声が耳元で聞こえ
私は思わずキスを止めた。







「Aはそうやって…俺の言うことは何でも聞いてくれるんだね、いつでも、どんなときでも」





「剛典、さま…?」








やはり

剛典さまがおかしい。

お酒に酔われているから?




ううん、こんなの初めて。




こんな風に泣きそうに
私を見る剛典さまは初めて見る。







「もちろん、です。

私は剛典さまのモノ、ですから」



「本当に、そう思ってる?」



「はい、もちろん…」



「でも心からじゃ、ない」









まさか




もしも私の自惚れでないなら、もしかして





私がオミへ気持ちが動いていることを気付いて

憂いておられるの?






「剛典さま…」






信じられない。


私は剛典さまの
このようなお姿は見たことはない。


ないけど



私の気持ちなど改めて確認されたことなどない剛典さまが

こうして私の心を探るようなことをなさるなんて






私のオミへの想いは

もしかして剛典さまを傷付けようとしているの?







私は思わず剛典さまを抱き締めた。





強く

その背中に手を回す。





私と私の家族を救ってくださった剛典さま。





恩人のこの方にそんな思いをさせるなんて

私はペット失格だ。




私の恋心など

ここにいる以上は何の意味もない。




初めての

秘密の恋だと浮かれて



私にはそのような気持ちをもつ資格などありはしないのに。






今度こそ
私はオミへの想いに強く蓋をする。




私は剛典さまを大切にせねばならない、



ううん、大切に想っているから


だから






「私には、剛典さまだけでございます」




そう。


私は剛典さまのペット。


それ以上は何もないのよ。

46→←44―ELLY



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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 岩田剛典 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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たかあや(プロフ) - 絶賛全部読み返し中です!同じ名前の曲が出ることに一人で興奮してます(笑)素敵な時間をありがとうございます! (2018年2月6日 7時) (レス) id: 9513f20f64 (このIDを非表示/違反報告)
okgs(プロフ) - とても切ない物語でドキドキしながら読ませてもらってます!すごく胸が締め付けられる思いになりました。その人の気持ちがわかりやすくかいてあり、その気持ちにたって読めるのでいいなと思います。更新楽しみにしてるんで、これからも頑張ってください!応援してます! (2016年7月31日 3時) (レス) id: 6715d7612f (このIDを非表示/違反報告)
百合(プロフ) - ドキドキしながら読ませてもらってます!更新楽しみにしています、頑張って下さい! (2016年6月30日 22時) (レス) id: 42cb9d35cf (このIDを非表示/違反報告)
*今市/登坂LOVE♪♪*(プロフ) - NEEさん» ハイローのツアーも行くんですか??いいですね!羨ましいです!!ちなみにJKですか? (2016年6月26日 21時) (レス) id: 92c067e04f (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - 3jsb-Yua∞kj8さん» ありがとうございます(*^^*)全部読んでいただいてるなんて嬉しいです!今回はきゅんきゅんよりも切なめですが、楽しんでもらえるようがんばります! (2016年6月26日 21時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2016年6月3日 0時

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