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雨音がガラス窓を叩く音で目が覚めた。
いつの間に眠っていたのだろう？
気づけば朝になっていて
まるで夢を見ていたようだった。
…いや、夢だったんだ。
今日の夕方にはまた
いつも通りの日常が始まる。
仕事からお帰りになる剛典さま。
労い、慈しみ
そして癒して差しあげるのが私の仕事。
ずっと長いこと
当たり前のようにそうしてきたし
それに疑問を持つことはなかった。
…持っては行けなかったのに。
頭から離れぬ昨日の"夢"が
どうしても私の理性の邪魔をする。
こんなことは初めてだ。
心なんてもう捨ててしまったはずなのに。
そのとき部屋の電話が鳴る。
唯一剛典さまからのみかかってくる電話。
「はいっ！もしもし…」
『あぁ、A？どう？そっちは変わりない？』
…剛典さま。
少し低い剛典さまの声は
受話器越しに聞くといつもドキドキする。
「はい、変わりありません！」
『…そう。
ところで、今日なんだけど実は仕事の都合上帰るのが難しくなってね』
「えっ…」
予定では今日の夕刻にはお戻りのはずだった。
急に予定が変わるなんて珍しい。
『それで戻りが明日になりそうだから…一つ仕事を頼まれてくれる？』
「は、はい！」
剛典さまが私に"夜"以外の仕事を頼むことなど今までにはない。
あの方のお力になれることに
私の心は明るく、嬉しくなる。
だけど、剛典さまの言葉を聞いて
私の返答は少し遅れた。
『オミに、渡しておいてほしいものがあるんだけど』
剛典さまの口から出た名前に
思わずどきりとする。
まるで昨日の"夢"を知られたのかと思ってしまうのは
私の考えすぎだろうけれど。
『…聞こえてる？』
「は、はい！」
しまった。
動揺しちゃだめ。
『ん。…じつは今日も仕事頼んでて。
報告に来たら報酬、渡しといて？
封筒の場所は…』
主不在の部屋に
またやってくることになるオミ。
封筒を渡すだけ。
私はその仕事を全うするだけなのに。
―また会える。
そう思ってしまう時点で
もう私はおかしくなってしまっている。
『じゃあよろしくね。また明日』
「……はい」
切れた電話に
再び迎える一人寝の夜に
以前の私なら寂しさを感じていただろう。
こんなにも
誰かの訪問に心を踊らせたりはしなかっただろう。
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たかあや(プロフ) - 絶賛全部読み返し中です！同じ名前の曲が出ることに一人で興奮してます(笑)素敵な時間をありがとうございます！ (2018年2月6日 7時) (
レス) id: 9513f20f64 (このIDを非表示/違反報告)
okgs(プロフ) - とても切ない物語でドキドキしながら読ませてもらってます！すごく胸が締め付けられる思いになりました。その人の気持ちがわかりやすくかいてあり、その気持ちにたって読めるのでいいなと思います。更新楽しみにしてるんで、これからも頑張ってください！応援してます！ (2016年7月31日 3時) (レス) id: 6715d7612f (このIDを非表示/違反報告)
百合(プロフ) - ドキドキしながら読ませてもらってます！更新楽しみにしています、頑張って下さい！ (2016年6月30日 22時) (レス) id: 42cb9d35cf (このIDを非表示/違反報告)
*今市/登坂LOVE♪♪*(プロフ) - NEEさん» ハイローのツアーも行くんですか？？いいですね！羨ましいです！！ちなみにJKですか？ (2016年6月26日 21時) (レス) id: 92c067e04f (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - 3jsb-Yua∞kj8さん» ありがとうございます(*^^*)全部読んでいただいてるなんて嬉しいです！今回はきゅんきゅんよりも切なめですが、楽しんでもらえるようがんばります！ (2016年6月26日 21時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年6月3日 0時
