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"治療をするだけ"

そう決めていた私は
片付けを済ませると急いで部屋を出た。


 

顔が火照って熱い。

ドキドキと胸が鳴って

一体どうしてしまったのだろう?
 




改めて近くで見た彼の顔。

 

剛典さまの前では見せなかったオミの色んな表情は
脳裏に貼り付いて離れない。

 

 
何なの、これ。





 
これまで私の頭の中は
剛典さまのことばかりだったはずなのに

 

必要以上に関わらないと決めた相手なのに



どうしてこんなにも
彼のことを考えてしまうの?


 








思わず言ってしまった言葉。


中庭に来てだなんて。



 




きっと、動揺しただけだ。

 
今までここにいて
私の境遇を憐れんだ人なんていなかったから。



 

だから

少しだけ心が揺らいだ

それだけ。




 

またいつものように私は
剛典さまのお帰りを待つ。


 
 

ただいまと言い

剛典さまが求めるままに


 
私は剛典さまのために

尽くしていればそれでいいのだから。




 

 

 






「ただいま」

 
「お帰りなさいませ」


 


今日の剛典さまは


…ご機嫌が良くなさそう。

 

ジャケットを受け取りハンガーにかけていると

剛典さまは乱暴にご自身のタイを外された。



 

「A、今日はね
俺の予定してた買収が成立しなかったんだ」

 
 
少しだけ棘を含んだ声。

苛立ちが見え隠れする。


 

友好的買収(ホワイトナイト)だってさ…
あぁ、本当気分悪い」




お仕事が上手くいかなかったみたい。



ということは

今日は、覚悟せねばならない。


 
 


「ねぇ、A?
俺は無能な社長だと思う?」



 
美しい指が
私の頬を撫でる。




剛典さまの瞳に見つめられて
私は慌てて首を横に振る。




「そのようなことは!…決して!」


 

「ん、そうかな?…本当に?
Aはこんな俺も好き?」



「勿論でございます!」

 


こんなときの剛典さまは
ひとつひとつわかりきったことを
わざと確認していく。



絶対にこれ以上は
ご機嫌を損ねてはならない。



…のに。



 
「…あれ?
A、知らない匂いがする」



びくりと思わず反応してしまう。

誰かの香りが移るようなことなどしていない。


 
だけど。




剛典さまが戻られる前に
オミの部屋で手当をしたこと


 
それは言ってはならない。





「…犬に噛まれたのかな、俺」




にっこり微笑む剛典さま


そのお顔は美しくて

私の背筋をゾクリと冷やした。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 岩田剛典 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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たかあや(プロフ) - 絶賛全部読み返し中です!同じ名前の曲が出ることに一人で興奮してます(笑)素敵な時間をありがとうございます! (2018年2月6日 7時) (レス) id: 9513f20f64 (このIDを非表示/違反報告)
okgs(プロフ) - とても切ない物語でドキドキしながら読ませてもらってます!すごく胸が締め付けられる思いになりました。その人の気持ちがわかりやすくかいてあり、その気持ちにたって読めるのでいいなと思います。更新楽しみにしてるんで、これからも頑張ってください!応援してます! (2016年7月31日 3時) (レス) id: 6715d7612f (このIDを非表示/違反報告)
百合(プロフ) - ドキドキしながら読ませてもらってます!更新楽しみにしています、頑張って下さい! (2016年6月30日 22時) (レス) id: 42cb9d35cf (このIDを非表示/違反報告)
*今市/登坂LOVE♪♪*(プロフ) - NEEさん» ハイローのツアーも行くんですか??いいですね!羨ましいです!!ちなみにJKですか? (2016年6月26日 21時) (レス) id: 92c067e04f (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - 3jsb-Yua∞kj8さん» ありがとうございます(*^^*)全部読んでいただいてるなんて嬉しいです!今回はきゅんきゅんよりも切なめですが、楽しんでもらえるようがんばります! (2016年6月26日 21時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2016年6月3日 0時

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