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「おかえり、A。
サインはもらえたみたいだね」
 

 
恐る恐る部屋に戻った私を
剛典さまは笑顔で迎え入れてくださる。

 
紙を差し出すと確認もせず
そこに置いておいてとおっしゃる剛典さま。


 
やっぱり

サインなんてどうでもよかったのですね?







「A、おいで」



呼ばれた私は、典さまの方へ近付く。

すると剛典さまは
私の右手に握られた数枚のお札に目をやった。



 
「それは?」


「…これは、その、渡されて」


「ふーん」


 
ソファに腰かけた剛典さまは
私の腕をぐいと引く。

 
そのまま私は剛典様の隣に座らされた。



 
「なるほどね。
早く帰ってきたから褒めてあげようと思ったけど…」



剛典さまの視線の先を見て、
私は背筋がゾクリと冷えた。



剛典さまが触れたのは、オミが強く吸い付いた…




「これ、何かなぁ?」

「あ、それ、は…」



 

"ハニートラップに引っ掛かる心配はないから"


そう言って付けられた痕。



お怒りになる…!


そう思い、目を閉じる私に反して
剛典さまは意外にもフフッと笑い声を漏らした。
 



驚いて目を開ければ
その美しいお顔に妖艶な笑みを浮かべておられる。



 
「なるほどね。罠にはかからないか」

 

そう呟いた剛典さまは
私の瞳を覗きこむと

指先で、ツ…とその痕に触れられた。




 
「は…っん…」


「そんな声出したんだ?…オミに口付けられて」



指で繰り返しなぞり、耳元では剛典さまが私に囁く。



「それで、身体を熱くして?

…イケナイ子だなぁ、誰でも気持ちよくなっちゃうんだ?」


「ちが…っ」
 

「違わないだろ?」



 
剛典さまの目の色が変わり
私はそれに射すくめられる。



 
スリットから手を入れて
剛典さまが"私"を確かめると

思わず上がる声に
剛典さまは私を冷たく見下ろした。


 

 
「ほら…やっぱり、こんなになってる。

オミに封筒を届けただけなのに、何でかなぁ」



「それは、違いま…っっ」


「違わないよ?ほら…自分でもわかるよね?
音、聞こえるでしょ?」


 
剛典さまの指が音を立て

私はまた声を上げる。


 


口許に笑みを浮かべながら私を見下す剛典さま。



 
その恐ろしくも美しい姿と
それから終わることのない切ない刺激に私は

また何度も声を上げる。




 

もう二度と、近づかない。


 



オミとはもう、関わってはならない。


 




私は剛典さまのことだけを

ただそれだけを考えたら良いの。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 岩田剛典 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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たかあや(プロフ) - 絶賛全部読み返し中です!同じ名前の曲が出ることに一人で興奮してます(笑)素敵な時間をありがとうございます! (2018年2月6日 7時) (レス) id: 9513f20f64 (このIDを非表示/違反報告)
okgs(プロフ) - とても切ない物語でドキドキしながら読ませてもらってます!すごく胸が締め付けられる思いになりました。その人の気持ちがわかりやすくかいてあり、その気持ちにたって読めるのでいいなと思います。更新楽しみにしてるんで、これからも頑張ってください!応援してます! (2016年7月31日 3時) (レス) id: 6715d7612f (このIDを非表示/違反報告)
百合(プロフ) - ドキドキしながら読ませてもらってます!更新楽しみにしています、頑張って下さい! (2016年6月30日 22時) (レス) id: 42cb9d35cf (このIDを非表示/違反報告)
*今市/登坂LOVE♪♪*(プロフ) - NEEさん» ハイローのツアーも行くんですか??いいですね!羨ましいです!!ちなみにJKですか? (2016年6月26日 21時) (レス) id: 92c067e04f (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - 3jsb-Yua∞kj8さん» ありがとうございます(*^^*)全部読んでいただいてるなんて嬉しいです!今回はきゅんきゅんよりも切なめですが、楽しんでもらえるようがんばります! (2016年6月26日 21時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2016年6月3日 0時

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