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そこは私の部屋とは違い、シンプルな造りになっていた。
余計な飾りなどない、殺風景な部屋。
「サイン、どこ？」
「あ、ここ、に…」
紙は
手の中で皺だらけになっていた。
ドア横に置かれたデスクの上に置き
皺を伸ばしていると
彼の視線は私に注がれているのがわかる。
私はそれを目の端で捉えながらも気付かないふりをして
紙を伸ばすと彼の元へと差し出した。
「サイン、お願いします」
「…あんたさ」
紙を差し出す私をじっと見たまま受け取ろうとしない彼に
焦れて私は胸元に紙を押し付ける
「その服、何、命令？」
「っ…剛典、さまが、これを」
「へぇ…」
彼はそこまで聞いて私から紙を引き抜くと
デスクの上でサラサラとサインをした。
「…俺を誘惑しにきた？」
「そんな…」
「それか"ご主人様"の差し金か。
俺も甘く見られたもんだな」
フッと笑うと
サインをした紙を私に渡すオミ。
「そんな格好で…俺が理性も立場も忘れて
あんたに襲いかかるって？」
一歩私に近付くオミ。
その目は暗く、冷たい。
「だったら、ご期待に応えてやるよ」
「え…」
彼が近付くと共に
壁際に追い詰められていく私。
背中が壁に触れたところで
オミの手がスリットから侵入し腿を撫でた。
「っ…あぁっ…」
「…へー、さすが。調教されてんだな。いい反応」
彼の掌は生き物のように
私の身体を這いまわる。
服越しに触れる部分ですら
まるで直に刺激をされているようで
私は声を抑えられない。
一通り私を手で弄んだ彼は
最後に首筋に強く吸い付いた。
「…主人に言っておけ。
ハニートラップに引っ掛かる心配はないから、今後の任務遂行にも懸念はないって」
息をするのがやっとの私を
あっけなく放した彼は
先程渡した報酬から数枚を引き抜くと
私の胸元に差し入れた。
「それはあんたに。…悪くない声だったから」
ニヤリと笑う目の前の男は
完全に私を"娼婦"と扱った。
剛典さまの挑発も
全て察した上で。
「ほら、早く戻れよ？
まぁ、この様子も監視されてんだろうけど」
このお屋敷中に置かれた防犯カメラ。
そう、剛典さまはこの様子をご覧になっているのかも。
早く戻らなければ
お仕置きを受けてしまうのは私だ。
「っ…サイン、確かに受けとりました」
急いで部屋から出た。
この、胸に広がる悲しさは何だろう？
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たかあや(プロフ) - 絶賛全部読み返し中です！同じ名前の曲が出ることに一人で興奮してます(笑)素敵な時間をありがとうございます！ (2018年2月6日 7時) (
レス) id: 9513f20f64 (このIDを非表示/違反報告)
okgs(プロフ) - とても切ない物語でドキドキしながら読ませてもらってます！すごく胸が締め付けられる思いになりました。その人の気持ちがわかりやすくかいてあり、その気持ちにたって読めるのでいいなと思います。更新楽しみにしてるんで、これからも頑張ってください！応援してます！ (2016年7月31日 3時) (レス) id: 6715d7612f (このIDを非表示/違反報告)
百合(プロフ) - ドキドキしながら読ませてもらってます！更新楽しみにしています、頑張って下さい！ (2016年6月30日 22時) (レス) id: 42cb9d35cf (このIDを非表示/違反報告)
*今市/登坂LOVE♪♪*(プロフ) - NEEさん» ハイローのツアーも行くんですか？？いいですね！羨ましいです！！ちなみにJKですか？ (2016年6月26日 21時) (レス) id: 92c067e04f (このIDを非表示/違反報告)
NEE(プロフ) - 3jsb-Yua∞kj8さん» ありがとうございます(*^^*)全部読んでいただいてるなんて嬉しいです！今回はきゅんきゅんよりも切なめですが、楽しんでもらえるようがんばります！ (2016年6月26日 21時) (レス) id: 826e656fd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年6月3日 0時
