Sequel �� ページ42
言葉が出なくて固まる私。
広臣とは違う香りが鼻腔をくすぐり
このまま身を任せてしまいそうな甘美な感覚を
何とか理性で押し返して
私は隆二くんの頬に触れて
軽く拒絶の意思を込めて押し返した。
「っ…冗談が過ぎるから」
「あはは、顔、赤いよ」
まるで何も無かったかの様に屈託ない笑顔を向ける隆二くん。
抗議の意味を込めて軽く睨むと
またふっと大人の顔になり微笑む彼。
「可愛いね、Aさん」
…この、天然女たらし！！
笑う顔は少年のようで
普段は安全な男の様に見せかけて
こんなときだけひどくセクシーな表情を見せる彼に
私はどぎまぎしてしまう。
「ちなみに、さっきの"臣"は嘘。
…今のは予行演習。
見せつけたら、さすがに動揺すると思うよ？」
「…いい！そんなのしなくて！」
「そう？」
こんな動揺しているところ、広臣に見せられるわけない。
「わかった。
じゃあ俺、Aさんからゴーサイン出るまではしないから」
…どうやら聞き分けはいいらしい。
それに
広臣のことを唯一話せる隆二くんとは
今まで通り繋がりは持っていたい。
「もしも、そのときがあれば、ね？」
そんなことないけど！
絶対にないけど！
そう心の中で誓う私に
また顔を寄せた隆二くんは
そっと私の耳元で囁く。
「いつでも使って？…俺のコト、利用してよ」
ぞくりと背筋を這う色気のある声。
広臣とはまた違う甘さに
何故か動揺が隠せない。
「チ、チェック、して！」
「ありがとうございました」
…なんでそんなすました顔でいられるわけ！？
広臣がドSの王様なら
隆二くんは小悪魔王子だ。
私の心を弄んで平然としているなんて。
逃げるように店を出た。
冷静になろう。
外に出て少し歩くと
私の目の前に黒の車が止まった。
「おねーさん、乗ってく？」
「…広臣」
さっきの後ろめたさが表情に出てはいないだろうか。
私は黙って彼の助手席に乗り込んだ。
ふわりと香るスパイシーな香りに何故だか安心する。
「今日は、仕事？」
「ん。…Aは？」
一瞬、答えに窮した。
正直に言えば良かったのに
「…通りがかり、かな」
今、返答をぼやかしたことの是非は
このときはまだ、わかってはいなかった。
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ひろみ - 私も臣大好きなので、キュンキュンしながら読みました。どうなるの？とドキドキで、途中でやめる事ができず、夜中までかかって一気に読ませて頂きました。 (2017年4月2日 2時) (
レス) id: e9c7ef6696 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 3~しかないんですかね??間違ってたらごめんなさい (2017年1月8日 15時) (レス) id: 811aaed8b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんな(プロフ) - 毎回毎回キュンキュンしながら見てます！！ (2016年9月19日 0時) (レス) id: 16f1420843 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - 続きが気になりすぎます(*^^*)！NEEさんのお話大好きです＼(^^)／NEEさんのペースで大丈夫ですので、無理せず更新お待ちしております(*^^*)！ (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - あとさんと同じく！隆二くんに触れられてるところを見て、臣にいろいろ大切なことに気づいて欲しいです(>_<) (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NEE
| 作成日時：2016年4月14日 22時
