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「ありがとうございました…A、行くよ」

「え、あ……」



直人に促されてようやく離れる指先。

名残惜しく思うのは
アルコールで私がおかしくなっているからに違いない。


そのまま私と直人は店を出る。


 



「あー…焦ったわー、絡まれるのかと思った」

外に出て直人が呟く。

「Aちょっと見とれてただろ?固まってたもんなー」

 

「別に、そんなつもりは…」

「てか、本当に大丈夫?ワイン回ってる?」

 
 
 
いっそワインのせいにしてしまいたい。

 


今ここにいる直人よりも
私に告白をした健二郎くんよりも

 
女連れのあの男が気になって仕方ないなんて、どうかしてる。




 
「直人、ごめん、忘れ物した」

「え?何?」

「さっきのbarに、大事なもの!」

 

なに言ってんの、私



 
「は?…じゃあ今から取りに」

「大丈夫!一人で行ける!」

「でも夜だし…」

「大丈夫!ありがとう!今日タクシーにするから心配しないで」



心配を振り切って

『帰ったら連絡しろよ』と言う直人の後ろ姿を見送ると

私はbarに戻る。


 


忘れ物なんて、ない。

馬鹿みたい。


わざわざ今夜の相手をする女と一緒にいるところに
乗り込んでいくなんて。


 

だけどさっき
一瞬指が触れたとき

彼の指先は私の指を這い、手の甲へさりげなく伝い
明らかな挑発をみせたから。


確かめさせてよ。


 




カラン




 
「あれ、お忘れものですか?」

barに入るとバーテンが声をかけてくる。


「え、ええと、そうなの、忘れ物…
そう、鍵、鍵をなくしてしまって…」




 
嘘ばっかり。

家の鍵は持っているし

あのチェーンのついた鍵は私の部屋の引き出しの奥だ。

 


「鍵、ですか。見なかったですけど…」

「そ、そう?」


バーテンに返事をしながら、辺りを見回す。
 
 

カウンター後ろのソファー席。

 
座って酒を飲む男と
その胸にしなだれかかるほろ酔いを軽く超えた女。

胸元はほとんどはだけているし
首筋には無数の赤い痕。


 

 

私はそこに一歩近付いた。


 
「…どうしたの、おねーさん」

「…鍵、見つからないんだけど」
 
 

ソファーに座る男を見下ろす形になる私を
下から強く見上げる男。

 



「…何?
見つからないからその鍵を、俺が開けろとでも?」

 





挑発に乗った私。


本当にどうかしてる。

 




だけど


 
今夜のスイッチをいれたのはあなた。


それが切れるまで、責任は取ってもらう。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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ひろみ - 私も臣大好きなので、キュンキュンしながら読みました。どうなるの?とドキドキで、途中でやめる事ができず、夜中までかかって一気に読ませて頂きました。 (2017年4月2日 2時) (レス) id: e9c7ef6696 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 3~しかないんですかね??間違ってたらごめんなさい (2017年1月8日 15時) (レス) id: 811aaed8b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんな(プロフ) - 毎回毎回キュンキュンしながら見てます!! (2016年9月19日 0時) (レス) id: 16f1420843 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - 続きが気になりすぎます(*^^*)!NEEさんのお話大好きです\(^^)/NEEさんのペースで大丈夫ですので、無理せず更新お待ちしております(*^^*)! (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - あとさんと同じく!隆二くんに触れられてるところを見て、臣にいろいろ大切なことに気づいて欲しいです(>_<) (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NEE | 作成日時:2016年4月14日 22時

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