You side ページ39
私の男 登坂広臣
見た目よし、声よし、…テクニック抜群
不動産持ちのお金持ち
地位も名誉も美しさも持つこの男に
怖いものなどないだろう。
…だけど。
「隆二くん、教えて」
「わかることなら」
「広臣ってソクバッキーだったの？」
バーカウンターにて。
私がそう確認をすると、
隆二くんは眉毛を歪めて、あははと笑った。
「いや、自覚ないと思うよ？
てか多分初めての経験ばかりだからね、臣」
…はじめて？？
イケメンで毎晩女をとっかえひっかえ。
一人の女を二度抱きはしなかった広臣は
どうやら"恋愛"経験が乏しいらしい。
「臣は追いかける恋愛とかしたことないから
Aさんがある意味初恋相手になるのかも」
信じられない。
この恋愛と肉体関係のアンバランスさ。
でも彼はそういう環境で育ってきたから
今までそうせざるを得なかったんだ。
隆二くんから聞いた話を反芻しながらbarから出ると
香る、スパイシー。
「電話したけど、出ないで何してんの」
「え？…あぁ、ごめん気付かなくて」
全部言い終わる前に、強く腕が引かれた。
「！広臣？」
「……」
黙ったままの広臣は
私をすぐ横のビルの"鍵"の部屋へと連れていった。
この辺りのホテルやビルの持ち主である広臣は
この街のあらゆるところに
彼が自由に使うことの出来るプライベートルームを保有していた。
中でも私一番訪れているのは"鍵"の部屋だった。
理由は
"この部屋のベッドのスプリングが一番上質で、
心地のよいリズムを刻めるから"
らしい。
まぁ要するに私はこの部屋に行くときは
必ず抱かれるということなのだけれど。
私をベッドに押し倒した彼は
いつもみたいに指や唇で私を攻めることもせず
ただ、強く抱き締めた。
「広臣？」
「……」
「…広」
「気に入らねぇ…」
「…え？」
「イライラする。…何でまた隆二のとこ行ってんの？」
私はその時言葉を失った。
初めて彼が
私に辛そうな顔を見せたから。
「言えよA。お前は誰のもの？」
誰のものでもないと
挑発するのはやめておいた。
「…広臣のものよ」
初めての恋みたいな
がむしゃらな束縛がたまらない。
あなたの初めてを私は受け入れるから
身も心も蕩けるようなあなたのもて余す愛で
私をしっかり捕まえておいて？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2336人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひろみ - 私も臣大好きなので、キュンキュンしながら読みました。どうなるの？とドキドキで、途中でやめる事ができず、夜中までかかって一気に読ませて頂きました。 (2017年4月2日 2時) (
レス) id: e9c7ef6696 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 3~しかないんですかね??間違ってたらごめんなさい (2017年1月8日 15時) (レス) id: 811aaed8b2 (このIDを非表示/違反報告)
あんな(プロフ) - 毎回毎回キュンキュンしながら見てます！！ (2016年9月19日 0時) (レス) id: 16f1420843 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - 続きが気になりすぎます(*^^*)！NEEさんのお話大好きです＼(^^)／NEEさんのペースで大丈夫ですので、無理せず更新お待ちしております(*^^*)！ (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
maimai(プロフ) - あとさんと同じく！隆二くんに触れられてるところを見て、臣にいろいろ大切なことに気づいて欲しいです(>_<) (2016年5月22日 10時) (レス) id: 31f7cf4807 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：NEE
| 作成日時：2016年4月14日 22時
